湯シャンって髪の毛にいいってほんと?

湯シャンってシャンプーを使わずに髪の毛をお湯だけで洗うことです。ネットなどで調べてみると、説明をしなくてもかなり浸透しているようですね。

湯シャンをやったことがなくて、やってみたいと思っている人は、湯シャンって本当に頭皮や髪の毛にいいのか気になるのではないでしょうか?

湯シャンを始めるきっかけって、フケ・かゆみなどの頭皮のトラブルや、体のかかさつき、背中ニキビや顔のニキビなどの改善で実践しようと思っている人がほとんどじゃないのかなと思います。

ネットで調べて検索する他にも、宇津木院長の書籍(シャンプーをやめると、髪が増える *1
や非接触皮膚科学の(「何もつけない」美肌術 *2)など湯シャン関連の書籍も出版されていますし、国内の芸能人や海外のセレブも湯シャンやお湯洗いを実践している情報もあります。

例えば、タモリさんは「お湯だけも体の汚れの8割は落ちる」といっているし、ミランダ−カーさんだって「ノープー(No Poo)」とかいって湯シャンを実践していたり。つい最近では、ベッキーさんもシャンプーなるべく減らしてお湯だけとか。

湯シャンが比較的メジャーになってきたみたいなので、実践されている人も増えつつあると思いますが、その反面、実践してみて合わないっていう声もちらほら聞きます。

そういう話を聞くと、やっぱり湯シャンってやらないほうがいいかもって思ってしまいます。

湯シャンっていいものなのでしょうか?それとも単なる噂や嘘なのでしょうか?

私自身は湯シャンをやってきてメリットを感じています。

合わないという人がいる半面、私はやってきてよかったと思っています。

3年ぐらい続けています。

湯シャンをやろうかなと思ったきっかけは、長年シャンプーをしてもなんとなく、かゆみやフケが気になっていたことや肌荒れもシャンプ−、トリートメントがきっかけで起こるという情報を得たからです。それまで、ニキビにも長年悩まされていたこともあったので。

当時見ていた湯シャン関連のブログや非接触皮膚科学などによると「頭皮トラブルやニキビを減らすためには顔だけではなく、髪も含めて界面活性剤、化粧品類を経つべし!微生物のバランスは崩れるし、皮膚のバリア機能も低下する」ということが書いてあったので、湯シャンをするぞと決めたと決めた日からスパッと湯シャンに切り替えました。

シャンプーも結構、高価なものを使ってたので、節約にもつながるし。

その当時でも、よくよく考えたら、界面活性剤を含む化粧品原料は、マイルドなものもあるので、種類や使い方によりけりということもなんとなく分かっていはいたんですけどね…

肝心なニキビについては、まだまだ悩んでいる部分はあるんですが、やってみて、フケは減って、かゆみは、止まりました。

(※2018年10月現在、顔のニキビについてはお湯洗いもしてますが、気になっている部分だけ比較的マイルドな界面活性剤で洗うようになりました。様子は別ブログでお伝えできればと思っています。)

その他、ドライヤーを低温のものを使っているのもかもしれませんが、トリートメントをとくにしていないのに髪質がよくなって枝毛や切れ毛が確実に減ったように思います。

→参考:湯シャンでの髪の毛の乾燥方法とは

 

また、髪の毛を染める時、それまでは結構次の日頭皮が痛くなったり、かゆくなったりすることが多かったのですが、皮脂がとれすぎていないせいか頭皮トラブルはほとんど感じなくなりました。

このように多くのメリットを感じています。

デメリットとしては、案外頭皮の分泌量がへっているのか髪自体の臭いはほとんどしないのですが、シャンプーの香り付けがないので、食べたものやタバコの臭いが付きやすいように思います。

どちらかといえばメリットのほうが多いのですが、私の周りでは、やっぱり合わないという意見が多くあります。

なぜそのような意見が多いのでしょうか。

 

湯シャンて嘘?合わないし、効果が感じられてないという理由とは。

湯シャンがあわないという理由は次のような理由が多いようです。

  • 髪の毛がベタつく
  • かゆくなった。
  • 髪の毛や頭皮が臭くなった
  • フケが増えた

これらのトラブルが起こったときに、湯シャンて全然効果ないって、止めてしまう人も多いようです。

それぞれの理由は、どんなものがあるのでしょうか。

髪の毛がべたつく

やってみたけどやっぱり駄目だったというなかで、「ベタつく」という声が一番多かったように思います。

このベタつくというのは頭皮の皮脂によるもので、これまでシャンプーによって簡単に取れていたものが頭皮に残ったままになっているからです。

シャンプーを使っていると取り除かれてしまった皮脂を補おうと皮脂腺が発達・肥大化しやすくなってしまいます。特に洗浄力の強い界面活性剤(例えば、ラウレス硫酸Na, オレフィン(C14-C16)スルホン酸など)が配合されているシャンプを使ってきた場合、皮脂を補おうとかなり皮脂分泌量が増えがちです。

 

このような強めのシャンプーを使ってきた人の場合、洗浄力のほとんどない湯シャンを適当にやってしまうとベタつきがかなり気になるのではないかと思います。

いずれにしろ、湯シャンのやり方のコツさえつかめばある程度ベタつきは解消されます。湯シャンを続けていくうちに皮脂分泌は減って、お湯だけでも問題なく洗えるようになりますが、時間がかかるものと思いましょう。

書籍を参考にすると1ヶ月ぐらいで皮脂分泌が減っていき、気にならなくなるのは、4〜5ヶ月後ともいわれているほどです(シャンプーをやめると、髪が増える )。

 

皮脂分泌が落ち着くまでの時間がかかることですので、単純に湯シャンだけをやろうとすると、ベタつきで挫折し、湯シャンは合わないってなってしまうのではないでしょうか。

最初のうちは皮脂分泌のコントロールがなかなかうまくいかないことが多いので、シャンプーの代替品をつかったり、比較的緩めの界面活性剤が配合されたシャンプーをときどき使って、徐々に湯シャンに移行をしていくというのが湯シャンをつつけるコツだと思います。

シャンプーの代替品としては、皮脂分泌を抑えるビタミンCクリームや小麦粉の吸着を利用した小麦粉シャンプーを非接触皮膚科学では推奨しているようです。

→非接触皮膚科学とは

→小麦粉シャンプーの作り方(香りつき)

 

無理をした場合悪化するおそれがあるので、不快な感じがつづくようであれば、今まで問題なく使えていたシャンプーを使ってみたり、界面活性剤成分を強いものを使ってきた場合は、少し洗浄力が緩めな界面活性剤に切り替えつつ徐々に湯シャンを行っていけばいいのではないでしょうか。

 

かゆみについて

かゆみもベタつきと同じぐらい、湯シャンが合わないという人からよく聞きます。

かゆみは、皮脂が酸化されてできた過酸化脂質が原因とされています。ベタつきと同じように、湯シャンのやり方次第で頭皮のかゆみ対策はある程度解決できます。湯シャンを行っていくうちにある程度皮脂分泌が収まれば、かゆみも軽減されていきます。

かゆいからといってかきむしるのはNGです。余計に痒くなってしまいます。

かゆみもひどくなった場合は、元のシャンプーに戻すのもアリです。続けるためには、無理をせずに湯シャン代替品や元のシャンプーを使うなど工夫をして、無理をしないように徐々に湯シャンに慣れていくようにした方がいいかなと思います。

髪の毛や頭皮が臭くなった

頭皮の臭いは、皮脂が酸化してできる過酸化脂質が主な原因です。また、皮膚の常在菌によって分解された脂肪酸、硫化物、アンモニアも関係しています(*1)。

頭皮の皮脂は、ベタつきや皮脂と同じような対処方法で解決できます。

臭いに関しては、シャワーやお風呂で洗い流せばほとんど取れますし、皮脂が上手くコントロールできたときには臭いのトラブルは気にならなくなります。

 

ただし、今までシャンプーに慣れてきた人は、シャンプーなどのようないい香りはないので、寂しいかもしれませんし、タバコや外界からの臭いがつきやすくなります。

こういう事もあって、湯シャンをしたら頭皮や髪の毛の臭いがキツくなったということもあるかもしれません。

こればかりはちょっと変えられないので、ある程度妥協するしかないかもしれません。

それよりも、他の部分に香水などをつけて臭い・香り付け対策を行ったほうがいいかと思います。

湯シャンでの香り付けについては過去記事に書いているので、こちらを参考にしてやってみるもいいかもしれません。
→湯シャンでの香り付けについて

フケが増えた

フケが増えることについてもベタつきと同様に、これまでシャンプーで取り除かれていたフケや汚れが湯シャンに変更したことで取り切れていないということが原因で起こることがあります。

これに関しても湯シャンのやり方次第で対処できます。

ところが、最初はフケは気にならなくても、やればやるほどフケが増えてくるといった場合もあります。

皮脂の酸化によってできた過酸化脂質が皮膚のターンオーバ異常を招き、フケが増加することがありますし、過度なシャンプーによって頭皮が極端に乾燥して、角化していない細胞が未熟なまま頭皮の表面へ押し上げられて、逆にフケはでにくくなったものが、正常にもどり、フケが増えてしまったということもありえます。

→その他のフケにかゆみの原因について

どのようなことをしても、フケは0にすることはできません。

皮膚生理の関係で、ターンオーバーによって外側の表皮の角質層が剥がれるようになっているからです。

湯シャンでうまく皮脂をコントロールできるようにば、フケがひどい場合は抑えられますし、逆に出なかった人は出るようになって、いずれにしろ適量に収まってそれ程気にならなくなります。

湯シャンを始めた際にはなかなか皮脂にしろ、フケにしろコントロールがなかなかうまくいかないことがよくあります。

湯シャン代替品やシャンプーを時々使うなど工夫をしておこなていけばいいかと思います。

特に湯シャン代替品で使うビタミンCは、フケ対策には特に効果的です。ターンオーバーを正常に戻す働きがあって、フケの増加を抑制します。また、皮脂の分泌量をコントロールできます。

非接触皮膚科学のサイトでは湯シャンスタート時に積極的にビタミンCを活用するようになっています。

→非接触皮膚科学とは

つづいて、湯シャンを快適にやる方法についてお伝えしていきます。

 

湯シャンを成功させるやり方とコツについて

湯シャンをうまく成功させるためには、シャンプーをやっているときよりもちょっとした一手間が必要です。

最初これをやるかやらないかで大きく違ってきます。やり続けているとそれ程時間をかけなくても良くなりますが、最初はそれぞれ丁寧にやった方がベタつき、臭い、かゆみが軽減されて湯シャンが快適になります。

シャンプーと基本的な流れは変わりませんが、それぞれ工夫が必要です。

<湯シャンの流れ>

  1. ブラッシング
  2. お湯洗い
  3. 髪を乾かす(タオルドライ、ドライヤー乾燥)

 

それぞれについて説明していきます。

ブラッシングについて

湯シャンでベタつきやニオイ、かゆみを軽減するためには、洗髪前のブラッシングが効果的です。

ブラッシングをすることによって、ブラシに髪や頭皮の余分な皮脂や垢が吸着し、洗髪後の洗い残しがかなり軽減されるためです。

また、髪の毛が長い場合、抜け毛や髪のもつれも解消されて洗髪しやすくなる効果もあります。

湯シャンを始めた頃は、ブラッシングを念入りにしないと髪の毛のベタつきが気になっていましたが、慣れるとざっくりと全体をとかすぐらいで十分になります。

使用するブラシは獣毛ブラシが関連本(「何もつけない」美肌術*2
)で薦められていますし、私自身も使っています。

獣毛ブラシは素材が頭髪と同じ「毛」のため静電気が起きにくく、頭皮へのあたりもやさしい上に適度に頭髪にツヤを与えます。また、目が細かいので、皮脂や垢、さらには皮膚に対して刺激となる(「何もつけない」美肌術*2

獣毛ブラシがなければ帯電防止処理をしたブラシ(静電気防止ブラシ)でもOKですが、数百円程度で獣毛ブラシは入手することはできます(猪毛、髪の毛が多い方向け)。

ブラッシングは、激しくすると頭皮や毛を痛めるので、できるだけゆっくりするように心がけます。

書籍(「何もつけない」美肌術*2)によると回数が100回と記載されていますが、ラッシングの回数は髪の状態やベタつきの状態によって適宜調節しても大丈夫です。

→ブラッシングについてさらに詳しくはこちら

 

お湯での洗い方について

直ぐに髪を洗うよりもお風呂に浸かったほうが汚れ落ちが良くなります。

浸かると血行が良くなりますし、皮脂汚れも温まって落ちやすくなるからです。

髪を洗うときはシャンプーと同じ要領でシャワーで問題ありません。

湯シャンをするときのシャワーの温度はそれ程気にしなくても大丈夫です。ブログや書籍によっては、皮脂の落としすぎを懸念して、体温よりも2℃前後低い温度(34℃前後)でやるという記載もありますがそこまで気にする必要は無いと思います(シャンプーをやめると、髪が増える *1)。

むしろ髪のベタつきが気になる人は温度が低いと落ちにくい場合があります。

お湯の温度は好みでもいいですが、40℃以上の高温になるとかゆくなることもあるので、40℃以下の温度で洗えばいいのではないでしょうか。

洗うときは、布製手袋をはめて洗った方が、洗いやすです。垢や皮脂、その他皮膚に影響のある一次刺激物質を除去することができるからです。

布の素材は、綿、絹など汚れを吸着しつつ、頭皮を痛めにくい素材を選択してください。

私が使った感じだと、絹のほうが皮脂を吸着するようで、よりサラサラした感じはします。

使い方としては、手袋をはめた手で地肌をマッサージするように洗います。髪の毛はその時に軽く撫でるように洗って、洗い残し部分がないように洗っていきます。

 

下記のリンクは、湯シャンのやり方や手袋についてさらに詳しく書いています。

⇒洗髪に使う布製の手袋とは

⇒洗髪に使う手袋は絹手袋がいい理由とは

⇒一次刺激物質とどんなもの?接触皮膚炎とは

 

乾燥の仕方について

湯シャン後はタオルで水分を吸い取ってから、ドライヤーで乾かします。

シャンプーをしているときと変わりません。

タオルで水分を拭き取るときは、ゴシゴシ拭き取るのはNG。水分を吸っているときは髪の毛が膨張して痛みやすいからです。

タオルで丁寧に水分を吸い取らなくても大丈夫です。滴り落ちないぐらいでも問題ありません。

軽くタオルドライ後は、早めにドライヤーで乾かします。そうすれば、菌の繁殖による嫌なニオイを抑えることができます。

ベタつきが気になる人はかわいた布製の手袋をはめるとやりやすいです(何もつけない美肌術参照)。

髪の毛が短い場合、ドライヤーでの乾燥は無理にやらなくてもいいです。

私の場合、ドライヤーと髪の毛との距離が近いことがあるので、低温ドライヤーを使っていますが、十分距離をとれば問題ないです。

湯シャン後の乾燥方法やドライヤーの種類などは下のリンクの過去記事に書いています。

⇒湯シャン後の乾燥の方法とは

 

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参考図書・文献

*1) 非接触皮膚科学本 何もつけない美肌術

*2) シャンプーをやめると、髪が増える