アボカド油とは、どんな性質の化粧品成分?

avocado oilの原料、アボカド

アボカド油とは、植物性の油脂成分(原料)で、主に油性の基剤として配合されています。

皮膚や髪の毛の保護や水分の蒸散を防いだり、皮膚を保護するする役割もあります。

食用としている果実部分から採取される油で、化粧品原料としてだけではなく食用油としても使われています。

ちなみに、オリーブ油のようにクセがないとか。

成分としては、脂肪を構成している脂肪酸のほとんどが不飽和脂肪酸(オメガ9のオレイン酸、オメガ6のリノール酸)からなるので、悪玉効果や中性脂肪を減らすなど、健康に良いことで着目されています。

私は使ったことがないのですが、食用油としても使ってみたいですね。

化粧品の場合でも、お肌に良い効果もあるようです。

どんなものか、見ていきましょう!

★ 使用用途別の表示

用途 表示名
化粧品の成分表示 アボカド油
医薬部外品(薬用化粧品)の成分表示 アボカド油
INCI名(化粧品の国際名称、英語表記) Persea Gratissima (Avocado) Oil

 

(参考文献 *1)

★化粧品原材料のまとめ(分類、用途、主要な成分の構造と由来)

成分の分類 植物油脂
化粧品での配合目的・用途
(米国パーソナルケア製品協議会で名称登録時の用途)
閉塞剤、溶剤

閉塞剤とは、皮膚に塗布することによって、水分の蒸散を防ぐ役割をもつ原料のこと

期待される効果・作用 作用:
肌・髪への適応:乾燥を防ぐ(保湿)、毛髪のクシ通り改善
主要な成分と構造

油脂は、「グリセリン」と「脂肪酸」が結合したものです。

油脂の構成成分トリアシルグリセロール 説明の図
油脂の構造(グリセリンに脂肪酸がついている)

 

動植物の種類によって含まれる脂肪酸の種類や割合は変化し、それぞれ特有の性質があります。

マカデミア種子油に含まれる主要な脂肪酸の種類:

オレイン酸(二重結合が1つある炭素数18の脂肪酸) 約55〜70%含有

マカデミア種子油の主成分のオレイン酸

 

植物性油の分類:不乾燥性油
※不乾燥性油とは、ヨウ素価 100以下のもので、空気中に放置しても固化して乾燥皮膜をつくらない油ヨウ素価:94.6
※ヨウ素価とは、ヨウ素を含んだ試薬を用いて、脂肪酸の炭素間の二重結合の割合を調べたもの。数値が高くなるほど二重結合の割合が高くなり、酸化しやすくなる。(参考文献 3)
主産地 アメリカ、中南米
成分の由来原料(基原) クスノキ科のアボカド(Persea gratissima)の果実から回収

 

アボカド油の成分について

アボカド油は、アメリカ大陸原産のクスノキ科のアボカドの果実から採取された植物油脂になります。

性状は、淡黄色の液体になります。

油脂成分を構成する脂肪酸のほとんどが不飽和脂肪酸で、不飽和脂肪酸のオレイン酸が9割占めています。

また、リノール酸、パルミトレイン酸も0.5〜1割程度含んでいます。

アボカドオイルの特徴としては、-OH(水素と酸素原子がついた水酸基)が脂肪酸分子についたヒドロキシル化脂肪酸の割合が高いことが知られています。

水酸基が多く含むと保水力が向上する性質があるので、アボカド油は比較的エモリアント効果(保湿効果)が高い化粧品油脂原料とされています。

アボガド油の組成は次のようになります。

ちなみにカッコは、脂肪酸の炭素の数と炭素と炭素の間の二重結合の数を示しています。

右側の数値が脂肪酸の数で、右は二重結合の数になります。

 

アボカド油の組成(季節や地域によって割合が変動します)

  • パルミチン酸(16:0):4~16%
  • ステアリン酸(18:0):0.1%以下
  • パルミトレイン酸(16:1):0.5~7.4%
  • オレイン酸(18:1):64~90%
  • リノール酸(18:2):2.2~12.2%
  • リノレン酸(18:3):2%以下
  • アラキドン酸(20:4):0.1%以下

NIKKOL 精製アボカド油の脂肪酸組を改定参照(参考文献 1)

 

油脂を構成する成分以外の不純物として、不けん化物の割合は、1.5〜2%と含まれています。

不純物といっても美容や品質保持や機能面で役立つ成分になります。

 

不けん化物の割合のうち、1- 2割が植物ステロールです。さらにそのほとんどが「シトステロール」という成分になります。

 

シトステロールは、肌の浸透を高める作用があります。

さらに肌の新陳代謝改善に役立つビタミンA、E、Bといったビタミン類といったものが含まれているので、美容効果が高い油脂原料になります。

そのため、乳液といった基礎化粧品の保湿性のある基剤として活用されています。

また、これらのビタミンによって不飽和脂肪酸を多く含んでいる割には酸化しにくく、比較的長く保存ができます。

そういっても不飽和脂肪酸の原料に比べると酸化しやすので、原料を入手した場合は半年ぐらいで使い切るようにした方がいいとされています。

(参考文献 1, 3,4)

配合目的・使われている化粧品

肌の水分の蒸散による肌荒れを防ぐための保湿剤の基剤として、乳液などの基礎化粧品の他に口紅にも使われています。

肌だけではなく、髪の毛の油分・水分補給やクシ通りの目的で、リンス・トリートメント剤にも使われています。

安全性について

刺激性やアレルギーを起こす感作性は低いので、基本的には安全性の高い原料になります。
ただし、植物油脂原料は、脂漏性皮膚炎やニキビといった皮脂トラブルが起きている場合では、あまり向きません(髪の毛につけるだけだったら問題ないのかもしれませんが…)。

そういっても肌につけたときに問題がなければ、肌の保護・保湿成分として活用できますし、乾燥気味の肌の場合はむしろ有用な成分になります。

*1)NIKKOL 精製アボカド油 <https://www.chemical-navi.com/>(2019年02月23日)

*2) 日本化粧品工業連合会 編集 (2013年) 日本化粧品成分表示名称事典、付録5、616-751

*3)広田博 (1997) 「アボカド油」化粧品用油脂の科学、19-21

*4)和田 文緒 (2008) 「アボカド油」アロマテラピーの教科書―いちばん詳しくて、わかりやすい!、161

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