湯シャン前のブラッシングは丁寧にした方がサラサラ感がアップします!

湯シャン前にブラッシングをしている少女 イメージ図

湯シャンをする際には、ブラッシングを丁寧にした方が頭皮のフケ(垢)と皮脂が取れて頭皮がさっぱりし、髪の毛がよりサラサラになります。

さらに、頭皮のフケや皮脂が取れやすくなることは、頭皮の脂が酸化してかゆみを引き起こす”過酸化脂質”を減らすことにつながるので、結果としてかゆみ予防にもなります。

また、髪の毛に付着している皮膚の炎症の原因となる一次刺激性物質も同時に落としやすくさせるので、ブラッシングをやったほうがメリットが大きいです。

ブラッシングの前に、湯シャンで必要な道具と一通りの流れは以下のとおりです。

使用する道具

・ ブラシ(獣毛ブラシ。できれば猪毛。理由は後述します)
・ 綿手袋(絹製の手袋でも可能)
・ ドライヤー

湯シャンの方法の流れ

前処理のブラッシング、後処理の乾燥を含む湯シャンの流れは、次の1〜4になります(*1)。
1. フケ(垢)、皮脂汚れ、抜け毛などを落とすために丁寧にブラッシングを行う(100回前後を目標に)。
2. シャワーのお湯で綿手袋をはめて地肌と髪を丁寧にあらう(目安:5分〜7分前後)
3. 綿手袋で髪をかるく洗い流すように溶かす
4. タオルで水分を取ったあと、ドライヤーで乾かす

この流れは、非接触皮膚科学のサイト(過去ブログ記事にリンクが飛びます)を元に記載しました。

ちなみに、過去記事(お湯だけでも髪は洗えます)にて、湯シャン(お湯だけで髪を洗うこと)の流れとメリット、デメリットのついて記載しています。

今回は、ブラッシングの方法と使用するブラシの選定のコツをご紹介していきます。

お湯洗い前のブラッシング方法

髪の毛全体を上から下に向かってブラッシングし、その後、頭を下げた状態で下から頭の上に向かってブラッシングを行います(うなじの方から頭のてっぺんに向かう感じになります。)。

非接触皮膚科学のお湯洗いを参照(*1)にすると、ブラッシングは100回前後を目安に行うと効果的だとか。

私の経験上、頭皮や髪の毛のベタつきが気になるときには、さらにブラッシング回数を増やしたほうがいい傾向があります。

各個人で髪の毛の太さがちがってくるので、回数に関してはこだわらなくも調整していけばいいかなと思います。

 

ブラッシングをするときに白い粉のような汚れ(フケや皮脂など)がブラシや手にかなり付いてしまいます。

ブラッシングを毎日丁寧にすれば、少なくはなりますが0にはなりません(ブラシの洗浄方法は、後述します)。

 

シャンプーを使っていて、単発でお湯洗いした場合だとほとんど付着しないのですが、お湯洗い回数が増えていくうちに汚れが付着して蓄積していきます。

これは、お湯だけで洗っているだけなので、垢や皮脂などが界面活性剤に比べ落ちにくく、剥がれ落ちないからです。
(逆に界面活性剤を使っていた場合、垢や皮脂が必要以上に落としすぎている…ということがあるのですが。)

 

私の場合は、体調が悪いときには白い粉が多くなることがあります。

ブラシ以外にもフローリングの床に髪の毛や白い粉が落ちるので、私はコロコロで掃除をしています※。
⇒この状態がひどいときは、フケ症(脂漏性皮膚炎のような状態)になっている可能性があるみたいです。こちらも対策が分かり次第、お伝えできればと思います。

※2016年度は悩みのタネでしたが、湯シャンに慣れた2018年では床にフケが落ちることはなくなりました!

ブラッシングの重要性

ブラッシングの時点で、お湯洗いは結構大変で面倒だと思われるかもしれません。

省いてもお湯洗いはできるのですが、ブラッシングをした方がベタつきが少なく、より髪の毛がサラサラした感じになります。

 

ブラッシングは単に毛先表面の汚れを落とすだけではなく、どうやら頭皮近くの毛の根元の部分の汚れも落としているようです。

違う観点からですが、もち肌イブさんもお湯洗いの前にブラッシングを勧めておられます。

湯シャン前のブラッシングで髪を整えやすくなる

ブラッシングはひと手間かもしれませんが、きちんとやったほうがベタつきや洗髪時の抜け毛を減らすことになります。

また、洗髪前のブラッシングは汚れが落ちやすい環境を整えるので、お湯洗いを行っている方だけではなく、シャンプーを使っている方にもおすすめします。

 

湯シャンで使用するブラシは獣毛ブラシを使ったほうが断然いい理由について

湯シャン用専用ブラシ イメージ図

湯シャン前にブラッシングをした方がいいのは分かったかもしれませんが、どんなブラシでもいいかといえばそうでもないようです。

ブラシを間違えると、髪の毛が痛むことがありますし、逆に汚れが落ちないこともあります。

 

一体、どのようなブラシを使えばいいのでしょうか。

 

また、ブラシも汚れてしまうので使いぱなしはNGです。少し面倒ですがブラシのメンテも大切です。

 

獣毛ブラシを使うと静電気の発生が軽減され、髪の毛が傷みにくくなります

ブラシは、獣毛ブラシをおすすめします。

 

それは、静電気が発生しにくく、ブラッシングによる毛髪の損傷が抑えられるからです

また、ある程度の密度があることや、髪の毛と同じ「毛」という素材なので、汚れが吸着しやすいというメリットもあるからです。

まず最初に、髪の毛の静電気が発生する仕組みとはどういったものでしょうか。

 

ブラシで静電気が起きるメカニズムについて

物と物をこすり合わせると静電気が起きることがあります。

髪の毛の場合は、こすったときにプラスに帯電(静電気を帯びている)しています。

プラスでも帯電の割合は材質によって、度合いが変わってきます。

材質によって帯電の割合を表したものを摩擦帯電列といい次のようになります。

材質による帯電列
帯電表
※大阪市立科学館のサイト参照*2)

摩擦帯電例について表以外の素材について気になる方は、こちら(大阪市立博物館サイト) をご参照下さい。

ちなみに、帯電列の表は絶対ではなく、条件によって変わってくるので、あくまで参照程度に留めて置いてくださいね。

獣毛は”動物の毛”です。

髪の毛も、もちろん”動物の毛”になります。

 

動物の毛同士なので、静電気は発生しにくく、ブラッシングでの損傷が軽減されます。

さらに、素材自体にある程度の油分と水分が含まれていることや、必要以上に硬すぎず、無駄に抵抗がかからないので、静電気が起こりにくいとされています。

 

摩擦帯電列からはなれたナイロン、木材…紙、塩化ビニルとなりマイナスを帯びてくると、比較的大きな静電気が発生しやすくなり、髪の毛にダメージを与える原因となってきます。

また、プラス側でも物質どおしの帯電列間の距離があくと、の間柄になって静電気を発生します

例えば、プラス側の人毛とガラスとではそれほど静電気は発生しませんが、人毛よりマイナス側のナイロンはマイナスに帯電し、静電気を発生します。

 

ところで、表に従ったら木材よりもナイロンの方が人毛に近いので静電気が発生しにくいはずですよね。

実際のところ、木製よりもナイロンブラシの方が静電気を発生します。

本来は、木製の方が静電気を発生しやすい性質はあるんですが、ほんの僅かながら電気を通して貯めないからです。

それに対して、特殊加工して電気を貯めないようになっているものもありますが、本来ならばナイロンは静電気を貯めてしまうので、あまりブラシには適しません

 

獣毛ブラシは髪の毛の損傷を軽減します

なお、ブラッシングをしていて損傷を受けやすい部分は、髪の毛の表面にある毛小皮(キューティクル)になります。

キューティクルの損傷を受けるまでのブラッシング回数については、素材ごとで調べられています。

ナイロン    1000回
ポリエチレン  3000回
獣毛(豚毛,猪毛)8000回

となっています(*3)。

 

ちなみに結果は頭髪ではなく、切断した毛の結果なのであくまで目安にしてくださいね。

帯電列の表にはポリエチレンの記載が抜けておりましたが、毛と離れた素材でマイナスの電気を帯びやすく静電気を発生しやすので、回数が少なくなっています。

 

目安なんですが、いかに獣毛が損傷が少ない素材であるかが分かります。

 

そうはいっても獣毛ブラシでも、洗髪以外に一日に何回もブラッシングをすると髪の毛が痛む原因になります

また、髪の毛が濡れている時は、髪の毛のキューティクルが開いている状態になります。

髪の毛が傷みやすい状態ですので、濡れている時はブラッシングを避けてくださいね。

 

静電気以外にも獣毛ブラシがいい理由があります

獣毛ブラシは物理的な髪の毛の損傷を軽減する

毛の損傷は静電気が原因とされていますが、私個人の意見としては(静電気以外の)単純な物理的摩擦による損傷もあるのではないかと思っています。

ゆっくり髪の毛をとかしていても、コーム部分が太い木製の場合はそれほど抵抗を感じることはありませんが、細めのツゲ櫛を使った場合、毛が絡まったところでグイグイとかすとかなり抵抗を感じます。

 

細いツゲ櫛などは、髪を短期間にセットするときにはツヤがでていいかもしれませんが、湯シャンの場合では髪をまんべんなく全体的にかなりの回数とかすので、痛む原因になります。

木製などの硬めなものよりも、しなる獣毛ブラシの方がブラシングの負担を軽減できるのはないでしょうか。

 

獣毛ブラシは皮脂汚れや垢を吸着しやすい

獣毛ブラシは適度な密度で皮脂や垢と馴染みやすく、汚れを絡め取りやすいという性質があります。

 

湯シャンのブラッシングでは、絡まった髪の毛をほどくだけではなく、吸着した外部からの刺激物質や垢汚れをできるだけ取り除くことが求められます。

ヒトの髪の毛も同じ様に言えることですが、獣毛は「ヘアケラチン」という油に馴染みやすい親油性のタンパク質からできています。

皮脂などの油汚れと共にフケや垢を吸着して、離しませんし、吸着した刺激物質も合わせて取り除きます。

また、獣毛ブラシにはある程度の密度があるので、髪の毛のよごれを一本一本吸着します。

 

獣毛ブラシはブラシについた汚れを水(お湯)で落とすことができます

また、後述でもお伝えしますが、湯シャンをした後ではブラシが汚れます。

獣毛ブラシは、もともと髪の毛と同じ動物の毛なので、水(お湯)で汚れを落とすことができます。

 

ブラシの汚れを落とすためにブラシ本体のお湯洗いをすると(洗剤などを付ける場合もありますが)、柄の部分が木製で耐水性の加工をしていない場合だと、乾燥しにくく木が劣化しやすいことがあります

そのようなことから、獣毛ブラシでも柄が樹脂製(プラスチック)のものや、木材でも耐水性の加工をしてあるものをおすすめします。

ちなみに、後述でご紹介している獣毛ブラシは本体が加工してあったり、樹脂製なので、お湯洗い可能なものになりす。

 

獣毛ブラシではなくても、帯電防止素材が練り込んだナイロンブラシやコームが太めの木製のブラシでも、ある程度髪の毛の痛みをカバーできてブラッシングできます。

獣毛ブラシが入手しにくい場合、静電気が発生しやすいブラシを使うよりも、断然髪の毛にはメリットが大きいでこれらをご利用された方がいいかと思います。

そうはいっても、髪の毛への摩擦の負担の軽減や馴染みやすさ、髪のツヤ感を出しやすいのは獣毛ブラシにはかないません。

獣毛ブラシは、豚毛よりも猪毛をおすすめします。

猪毛 イメージ図

獣毛ブラシの種類は、豚毛よりも猪毛がおすすめします

 

湯シャンに使いやすい商品をいくつかご紹介します。

 

★メイソンピアソン ハンディブリッスル

髪の毛を艷やかにすると評判のイギリス、メイソンピアソン社のブラシです。

モデルさんや芸能人も愛用者が多いことが知られています。

豚毛よりも硬さのある猪毛ブラシなので、頭皮の根本まで届きやすく、しっかりと髪の毛をとかすことができます。

 

メイソンピアソン社製品の獣毛ブラシは、北インド産の高級猪毛が使われています。しかも、毛質別に硬さの違うブラシのラインアップがあります。

ハンディブリッスルは、中程度で標準的な硬さの毛が使われているもので、スタンダードなエントリータイプとなっています。

ブラシサイズは、21.6 cm × 6.4cm(ヘッド部の大きさ11cm)の頭全体を効率よくとかすことのできる適度な大きさのブラシです。標準的な毛質 の人であれば、問題なく頭皮表面や髪の毛の汚れを絡め取ります。

クッション性が高いゴム製のパットが使用されているので、頭皮自体を傷つけません。

 

使われている猪毛は、適度に油分と水分を兼ね備えているので静電気が起こりにくく、ヒトの毛表面のキューティクル(毛小皮)を無駄に傷めないというメリットがあります。

しかも使えば使うほど、ブラシの毛に油分が行き渡って、髪の毛にツヤを与えます。

 

それ以外に湯シャンでのメリットがあります。

それは、柄の部分が樹脂製(酢酸セルロース)であること。

ブラシについた垢や皮脂汚れを中性洗剤で薄めたぬるま湯で取り除くことができます。

 

メイソンピアソン社の製品は、一つ一つ手作りで価格がブラシとしては高価(1万〜2万円前後)なところもありますが、何十年も持つほどの耐久性があるので、一生モノになるのは間違いないです。

湯シャンではリンスやトリートメントを使って表面のコーティングすることはないので、髪の毛に直接触れるブラシはこだわってもいいのではないでしょうか。

 
★パンドラ 静電気を抑え髪を痛めにくい木目調 猪毛ブラシ  

もちろん、上のようなコンパクトなタイプでも問題なく使えます。

しかも柄の部分はABS樹脂なので、汚れたときに洗うことができます。

 

2016年頃は私自身よく使っておりました。

湯シャンをするときは髪の毛全体をとかすので、コーム部分の面積が広いほうがやっぱり効率がいいなとは何回も思っていました。あと、クッションパットがないので、なんとなくダイレクトに頭皮に力が伝わります。

だんだんめんどくさくなって、ブラッシングを忘れることもしばしば。

毎日習慣化しようと思ったら、ブラシが大き方がいいかもしれませんね。

快適な湯シャンを楽しめるようなブラシ選びは意外と重要かもしれません。

★シャトリ 猪毛クッションブラシ 中

最初にご紹介したメイソンピアソン社の製品とよく似た「国産」の猪毛ブラシになります。

二番目のコンパクトサイズよりもコームも広く、髪の毛全体を短時間でとかすことが出来ます。

メリットは、適度な大きさがあるのに、2500円とお買い得なこと。

しかも、Amazonのレビューもかなり満足したといった意見が多いです。

 

ちょうど良い大きさで使いやすいです。髪の毛は硬い、太い、多い、クセあり、というやっかいな髪質で、せめて艶だけでもと思い購入。レビューを見て、私の様な髪には猪毛が適しているとのことで、選んだのですが、正解でした。ちゃんと地肌にとどきます。豚毛では、表面を撫でているだけのようでしたので、物足りませんでしたから。地肌が敏感な方は痛いかもしれませんのでご注意を。艶が出るかどうかはまだ使い始めなのでわからないため星4つで。

出典:Amazonレビュー(シャトリ 猪毛クッションブラシ 中)より

 

髪の毛が柔らかい人や猪毛を使った場合になんとなく、痛みを感じる場合は、柔らかい豚毛のブラシもあります。

 

★ベス天然豚毛100%ヘアブラシ

ブラシのお手入れ方法のポイント

湯シャン前のブラッシングを行うと、ブラシに汚れが付着します。

髪の毛は当然ですが、白い粉状のものが柄のところに付いているのが分かります。

特にこの白い粉はシャンプーを使っているときは出てこないですが、皮脂や垢(フケ)になります
健康な頭皮の方でもある程度つきます!問題ないです。

フケや毛髪がブラシに付着したままだと、衛生上あまりいい状態ではないです。

 

基本的には、その日のうちに処理をするのをおすすめします。

方法ですが、絡まった髪の毛は手で取って、白い粉のようなフケや皮脂等の汚れは、お湯(ぬるま湯)でこすり洗いをすると取り除くことができます。

そのあと、水分を軽く払って自然乾燥させます。

上記でもお伝えしましたが、湯シャンの後にお湯でブラシを毎回洗うことになるので、ブラシの柄の部分はお湯に耐えれる素材(例えば、樹脂製)でできているものがいいと思います。
(今回の記事でご紹介したブラシは、すべてお湯に耐えれる素材でできているブラシとなっています。

日頃のブラシに絡みついた小さな毛はお湯でも取れますが、絡みついた毛がなかなか取れないときや一気に取りたいときには、金属製でブラシ専用の”ブラシクリーナー”を活用してみてもいいかもしれません。
(ブラシクリーナーの代わりに歯ブラシでもある程度代用できます。ブラシクリーナーの方が、面積が大きいので効率はいいですが…)

ちなみに、ブラシの毛や根本部分が痛むので、金属製のブラシクリーナーを扱うときにはあまり乱暴には扱わないでくださいね。

お湯でブラシを洗っていても、クシの内部も汚れが溜まっていきます。

こういうときには中性洗剤(中性洗剤で大丈夫です)でしばらく浸け置きして、こすり洗いをすれば汚れがとれます。
(ブラシクリーナーや歯ブラシを併用してもいいと思います。)

お肌が弱い方が洗剤を使うときには、手荒れを防ぐために手袋もしくはワセリン(例えば、健栄製薬 ベビーワセリン)等を塗って手肌をガードして洗ってくださいね。

ブラッシングも大切ですが、その他にもお湯で洗うときも重要なポイントがあります。

 

 

参考文献:

*1) 牛田専一郎 「皮膚科学に基づく本当に正しいスキンケア法「何もつけない」美肌術」 主婦と生活社 104-106

*2)帯電列

大阪市立博物館サイト

http://www.sci-museum.kita.osaka.jp/~ohkura/seidenki/taidenretu.htm

*3)井上哲男 編「毛髪の話」文春新書, p50

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