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グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドとはどんな性質の原料?

化粧品 イメージ図

 

グアーヒドロキシプロピルトリウムはシャンプーやトリートメント剤などの保湿や帯電防止、指通り改善目的で配合されている化粧品原料です。

よほど化粧品原料に詳しくない限り、パッと聞いてどんな成分かイメージしにくいのではないでしょうか?

 

一体どんなものなのか、見ていきましょう!

★ 使用用途別の表示

用途別の表示名称

 表示名

 化粧品成分表示の名称

グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド

医薬部外品原料規格表示(薬用化粧品)の名称

塩化O-〔2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル〕グアーガム

INCI名(国際名称、英語表記)

Guar Hydroxypropyltrimonium Chloride

 

★グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドの成分の特徴まとめ

成分の分類

カチオン化ポリマー

作用・効果・用途

帯電防止剤、保湿・エモリアント作用、増粘

構造 

※下の構造式はグアーガムの構造になります。

 

グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは、-OHの赤丸で囲んだ部分に一部に四級カチオン化塩化グリシジルトリメチルアンモニウムを付加したものになります。

グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドの構造式

原料

マメ科植物グアーの種子(グアーガム)

グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドの成分の特徴・作用とは?

グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドの原料の由来について

マメ科植物グアー豆から得られる多糖類の「グアーガム」に+の静電気をつけた成分です。

※以前記事を書いた化粧品原料の多糖体のラムノースに「多糖」の説明があります。参照ください。

⇒参照:多糖体原料、ラムノースとは?

 

成分について詳しく言うと、グアーガムに「塩化グリシジルトリメチルアンモニウム」を化学的に付加したカチオン化4級アンモニウム塩になります。

化粧品に詳しければ、「四級アンモニウム塩」と聞けば、一般的なリンス剤やトリートメント剤はカチオン(陽イオン)界面活性剤を思い浮かべるのではないでしょうか?

グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは、「カチオン化ポリマー」に分類されていて、カチオン(陽イオン)界面活性剤とは別物になります。

グアー豆はインドやパキスタンで採取される食用植物で、現地ではカレーの材料にされているような安全なものです。

グアーの種子

出典:ウィキペディア グアーの写真

豆から採取されるグアーガムも食品添加物として認可され、増粘剤やゲル化剤として、スープなどのとろみをつける目的で配合されます。

 

グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドの成分の作用・効果について

元々保水性の高い多糖類をカチオン(陽イオン)化しているので、静電気を抑えて髪の毛をしっとり柔らかくするコンディショニング作用があります。

※下の図は、グアーガムの構造式なので、ちょっと今回の化粧品原料と違いますが….

構造に水酸基(-OH基)が多く、水分を吸う能力が高い性質があります。さらに、100個以上の糖が集まった高分子という特性もあって、保湿力はかなりあります。グアーの水酸基の説明の図

 

ヘアケア商品では、髪の毛を柔らかくしっとりさせて、まとまりの良い髪質にします。

特にシャンプーの場合、きしみを軽減したり、手触り、クシ通りの改善に役立ちます。

グアーはゲル化する性質があるので、シャンプーのとろみをつける増粘剤としても使われています。

 

洗顔料やボディーソープなどのボディーケア、スキンケア商品にも使われています。保湿作用によって、角質にあるケラチンの損傷や乾燥から守る効果や、皮膚を柔らかくする柔軟作用があります。

グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドと似たような作用があるものとして、同じカチオン化ポリマーで、植物繊維由来の「ポリクオタニウム10」という原料があります。

グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドの方が、ポリクオタニウム10のようなカチオン化セルロース類に比べて、増粘性が高く、 エモリエント・コンディショニング効果が高い傾向はあります。

(*1,2 参考文献)

カチオン化ポリマーとカチオン界面活性剤の違いとは

カチオン化ポリマーの最大の特徴は、シャンプーのようなアニオン界面活性剤がたっぷり入った洗浄剤”でも配合できるというメリットがあります。

シャンプーとリンスやトリートメントは普通、一緒には使わないですよね。

シャンプーなんかは、泡立ちが悪くなってしまいます

シャンプーに使われているアニオン(陰イオン)界面活性剤とカチオン(陽イオン)が、(ー)、(+)の静電気で引き寄せあって、お互いの性質が出せなくなるからです。

⇒参照:陰イオン・陽イオン界面活性剤とはどんなもの?

 

それに対して、カチオン化ポリマーは、(+)の性質はあるものの、アニオンにいれても性質を保つことができるんです。

カチオン化ポリマーとカチオン界面活性剤とで、何が違うかというと、カチオン化ポリマーの場合は、水と油の(界面)を境界(界面)を変える界面活性剤の作用は持っておらず、数百個の分子が連なった「高分子」になります。

 

この「高分子」というところがポイントで、洗浄中にマイナス(−)の静電気を持つアニオンとも相互作用して一次的に溶けた状態になっていますが、すすぎのときに洗浄成分が取れて不溶性の複合体(コアセルベート)を作る性質があります。

この不溶性のコアセルベートは、髪の毛に吸着して、髪の毛を滑らかにしたり柔らかくする効果を発揮します。

⇒参照:コアセルベートの簡単な説明。コアセルベートを溶解する効果がある界面活性剤原料より

 

グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドの化粧品原料の用途

ヘアケア商品
ヘアケアシャンプー、コンディショナー、トリートメント

スキンケア商品
洗顔フォーム、ボディーソープ、シャンプー、ハンドソープ

などに使われています。

 

グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドを配合している商品

★脂漏性皮膚炎研究者が考えた頭皮に優しいスカルプシャンプー

すっぴん地肌 ナチュラルスカルプシャンプー<頭皮のかゆみ・フケ用>

 

安全性について

ピーナッツ近縁種 グアーの安全性イメージ図

グアー自体は食品添加物にもなっているような安全性が高いものです。

また、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドについても比較的安全性が高いとされています。

ただし、四級アンモニウム塩はについては、常にプラスの静電気を帯びて髪の毛や皮膚に吸着したままになりやすいことや、特有の殺菌作用が微生物だけではなく、皮膚に対しても刺激を与えてしまいやすいので、本当はなるべく少なめに配合したほうがいい成分だとも。

そういっても、グアーはエモリアント効果が高い成分なので、逆に肌を保護するという側面もあります。

 

また、グアーに関しては、ほかの高分子ポリマーとは別の注意が必要があるというネット上の意見も…

グアーはピーナッツと比較的近いマメ科植物で、ピーナッツアレルギーがある場合は、使用を控えたほうがいいとも言われています。

配合量が1%程度であることや、そもそもアレルギーとなるアレルゲンはタンパク質で糖類ではないこと、原料自体はかなり精製されてことを総合して考えると製品自体はトラブルは起きにくくなっています。

使っている化粧品の組み合わせや肌の状態によって、化粧品に対する反応が変わってくることがあります。何かお肌異常があった場合は、使用を控えてくださいね。

 

1) 宇山 光男,久光 一誠,岡部 美代治(2015)化粧品成分ガイド 第6版 フレグランスジャーナル社 P112

2. 三晶株式会社 グァーガム誘導体とは

http://sansho.co.jp/find/polthknr/guargumderivative/#ca-guar>(2019年1月)