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マカデミア種子油とは?

マカダミア種子 油 原料のマカデミアナッツ

マカデミア種子油とは、植物性の油脂原料になります。

主に皮膚や髪の毛の保護や水分の蒸散をために配合されている成分です。

もちろん「マカダミアナッツ」由来の原料ですが…化粧品原料の場合、なぜか「マカダミア」ではなく、「マカデミア」という表記になっています。

 

国内では、マカダミアの種子、つまりマカダミアナッツ自体はチョコレートなどの加工品で使われていますが、オイルはあまり見かないですよね。

どんな性質がある成分か見ていきましょう!

 

★ 使用用途別の表示

化粧品表示の名称と医薬部外品(薬用化粧品)で表示される名称が変わってきます。

用途別の表示名称 表示名
化粧品成分表示の名称 マカデミア種子油
医薬部外品原料規格表示(薬用化粧品)の名称 マカデミア油
INCI名(化粧品の国際名称、英語表記) Macadamia Integrifolia Seed Oil

(参考文献 *1)

 

★化粧品原材料のまとめ(分類、用途、主要な成分の構造と由来)

成分の分類 植物油脂
化粧品での配合目的・用途
(米国パーソナルケア製品協議会で名称登録時の用途)
閉塞剤※

※皮膚に塗布することによって、水分の蒸散を防ぐ役割をもつ原料のこと

期待される効果・作用 作用:
肌・髪への適応:乾燥を防ぐ(保湿)、毛髪のクシ通り改善
主要な成分と構造

油脂は、「グリセリン」と「脂肪酸」が結合したものです。

動植物の種類によって含まれる脂肪酸の種類や割合は変化し、それぞれ特有の性質があります。

マカデミア種子油に含まれる主要な脂肪酸の種類:

オレイン酸(二重結合が1つある炭素数18の脂肪酸) 約55〜70%含有

マカデミア種子油の主成分のオレイン酸

パルミトレイン酸 (二重結合が1つある炭素数16の脂肪酸)約15〜25%

マカデミア種子油の主成分のパルミトレイン酸

主産地 オーストラリア、アメリカ、パラグアイ
成分の由来原料(基原) ヤマモガシ科のマカダミア(Macadamia integrifolia)の種実を低温圧搾して回収

成分について

マカデミア種子油は、オーストラリア原産の常緑樹であるヤマモガシ科マカダミアの種(種実)から低温圧搾して回収されたものです。

 

油脂成分を構成する脂肪酸のうち、不飽和脂肪酸の配合量が80%以上含まれています。

特にオレイン酸の含量が多く(約55〜70%)、植物原料には珍しい不飽和脂肪酸のパルミトレイン酸も豊富です(約15〜25%)。

これらの脂肪酸は、不飽和脂肪酸でありながら二重結合が1つなので、酸化しにくい脂肪酸に分類されています(飽和脂肪酸に比べたら酸化はしやすのですが…)。

 

また、酸化しやすい多価不飽和脂肪酸のリノール酸が1〜4%と少なく、肌の新陳代謝改善に役立つビタミンA、E、Bといったビタミン類といったものが含まれているのが特徴です。

酸化されにくい脂肪酸構成やビタミンEといった抗酸化ビタミンによって、保存性がよく、肌につけたままにしておいても皮膚刺激となる過酸化脂質になりにくいので、乳液といった基礎化粧品の保湿性のある基剤として使われています。

 

 

マカデミア種子油の構成脂肪酸であるパルミトレイン酸は、皮膚にとって重要な役割があります。

肌への浸透性がよく、肌の柔軟作用があるので化粧品に使われていますが、もともと、ヒトの皮脂に10%も含まれている脂肪酸で、「皮膚の再生」に関わる脂肪酸ということも知られているものになります。

加齢とともに減少してしまうため、それが皮膚の老化の原因の要因の1つだとも言われています。

 

そのメカニズムのうち、パルミトレイン酸は細胞シグナル伝達因子に関与しているという報告例があります。

皮膚などの組織を再生するためには、どの細胞をどれだけ分裂させて増やすかといった細胞同士での情報共有が不可欠で、細胞から分泌されるシグナル伝達分子(物質)を介して行われています。

そのシグナル伝達分子の1つにWntシグナルに関与する「Wntタンパク質」があります。

ヒトにおいてWntタンパク質やそれにまつわるWntシグナルの異常が起こると、髪や皮膚、骨などの形成不全が起こることが知られています。

パルミトレイン酸はWntタンパクに付加し、タンパク質が細胞外へにうまく分泌できるようにする需要な役割があるようです(2006 参考文献 4,5)。

(参考文献 2, 3,4, 5)

 

配合目的・使われている化粧品

肌の水分の蒸散による肌荒れを防ぐための保湿剤の基剤として、乳液などの基礎化粧品の他に口紅にも使われています。

 

また、オレイン酸といった二重結合がある脂肪酸によってUVの照射を緩やかにする作用があるので、サンタンオイルの基剤としても配合されています。

また、ベタつきが少なく使い心地がいいので、肌だけではなく、髪の毛の油分補給やクシ通りを改善の目的で、リンス・トリートメント剤にも使われています。

(参考文献 2)

安全性について

刺激性やアレルギーを起こす感作性は低いので、基本的には安全性の高い原料になります。

ただし、植物油脂原料は、脂漏性皮膚炎やニキビといった皮脂トラブルが起きている場合では、あまり向きません(髪の毛につけるだけだったら問題ないのかもしれませんが…)。

特にマカデミア種子油に含まれているオレイン酸はマラセチアなどの微生物の餌になりやすく、脂漏性皮膚炎を悪化させてしまうという報告があります(2017年レビュー記事 参考文献 )。

毒性も少なく安全な原料ですが、脂性肌でトラブルがある場合はできるだけ避けた方がいいかもしれませんね。

 

 

*1) 日本化粧品工業連合会 編集 (2013年) 日本化粧品成分表示名称事典、付録5、p616-p751

*2)化粧品成分用語事典(2012) 鈴木一成 P17

*3)和田 文緒 (2008) アロマテラピーの教科書―いちばん詳しくて、わかりやすい!P167

*4)理化学研究所プレスリリース「発生・再生・がん化に関わるタンパク質Wntの分泌メカニズムの解明
~Wntへの特殊な脂質付加が細胞外への分泌に必要~」(2006年) <http://www.nibb.ac.jp/press/061203/061203.html>(2019.02.12アクセス)

*5) Takada R, Satomi Y, Kurata T, Ueno N, Norioka S, Kondoh H, Takao T, Takada S. (2006)Dev Cell. (6):791-801 <https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=17141155>(2019.02.12アクセス)

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