弱酸性次亜塩素酸水ってどんなものでしょうか。特徴とは。
弱酸性次亜塩素酸水とは何?
”次亜塩素酸水”は食品添加物にも認められている安全性の高い殺菌・除菌、消臭剤です。
特に”弱酸性(もしくは酸性)次亜塩素酸水”の成分は、HClO(次亜塩素酸)という分子で、殺菌後すばやく水に戻る※という性質があるので安心して使えます。
※実際は水以外に、ほんの僅かな食塩が含まれます。
仮に手肌に触れても刺激は少なく、臭いもほとんどないので、食品を扱う店舗ではエタノールの代わりに次亜塩素酸水が使われているところがちらほら見かけられるようになってきました。
エタノールよりも幅広い種類の細菌や真菌、ウイルス(ノロウイルスなど)を不活化※できることも利用範囲が拡大した理由の1つとなっています。
※不活化とは、病原菌やウイルスなどを死滅させて感染できなくさせることです。ちなみに、ノロウイルスの不活化テストは、ノロウイルス自体の培養方法が確立されていないので、近縁種のネコカリシウイルスなどを用いて間接的に殺菌作用を評価しているようです。
*次亜塩素酸水の詳しい殺菌効果メカニズムは別記事でご確認下さい
ちなみに、次亜塩素酸水のメリットとデメリットは次のようになります。
次亜塩素酸水(弱酸性次亜塩素酸水)のメリットとデメリット
次亜塩素酸水のメリットとデメリットは以下のものがあります。
メリット
・肌に触れても比較的安全で、食品でも使える。噴霧した気体も安全
⇒すぐに水(+少量の食塩)に分解されるので、食品の殺菌や器具、手肌に触れてもトラブルが少なく、安心できる。
気体を吸い込んでも問題はない。
200 ppm程度の濃度ならば、水道水と同じ安全性があるといわれている*1)。
(※ただし消毒剤と記載されていない弱酸性次亜塩素酸は、厚生労働省で認められた医薬品や医薬部外品の該当しないものです。医療機関などにおける感染症予防の手肌の殺菌・消毒剤としては正式なものではありません。)
・抗菌範囲が広い
⇒抗菌範囲が広く、細菌類、カビ類、ウイルス(ノロウイルス やインフルエンザウイルス等)、さらにはエタノールでは効かない細菌類の不活化にも使用できる。
・脱臭効果がある
⇒ペット、ゴミ等の臭い匂い消しなどに使える。
・臭い(塩素臭)がほとんどしない
⇒ハイターの成分の次亜塩素酸ナトリウムより遥かに臭いが少ない。
・金属の腐食がしにくい
⇒ハイターの成分である次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、金属製の容器を腐食する性質があります。
弱酸性の次亜塩素酸水溶液の場合は、pHが穏やかでほとんど腐食しません。
デメリット
・塩素ガスが発生する
⇒酸性の洗剤などと混合した場合、危険な塩素ガスが発生する恐れがあります。
デメリットというわけではないのですが、使用上の注意点があります。
次亜塩素酸水は殺菌効果が強力です。
分解されやすいとはいえ、瞬間的に細菌の細胞内部を酸化させてダメージを与えるものになります。
手肌には優しいとはいえ、手荒れのリスクがまったくないものではないので、メーカーが推奨する濃度で使用し、高濃度のものを人体に直接触れないようにしましょう。
次亜塩素酸水といえば、次亜塩素酸成分と次亜塩素酸ナトリウム成分のものがありますが、どう違うのでしょうか?
次亜塩素酸水は本来、”次亜塩素酸(HClO)”という成分が入っている水溶液になります。
ところが、ハイター(ブリーチ)成分の次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)を希釈したものも同様に”次亜塩素酸水”と言うこともあるようです。紛らわしいのでブログ内では、ハイターなどに含まれている次亜塩素酸水を次亜塩素酸ナトリウム水溶液とし、弱酸性の次亜塩素酸水のことを単に次亜塩素酸水と呼ぶようにします。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液は古くから食品にも使われている殺菌剤になりますが、今回ご紹介する弱酸性の次亜塩素酸水とは成分が違うものになります。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液はアルカリ性の性質があります。そして、水溶液中では、−(マイナス)の電荷をもった次亜塩素酸イオン(ClO-)というイオンの状態のものが豊富に存在しています。
一方、弱酸性の次亜塩素酸水の場合は、もちろん弱酸性の水溶液で、イオンの状態ではなく、次亜塩素酸イオンに水素イオンが結合した次亜塩素酸(HClO)分子で存在しているものがほとんどです。
ちなみに、次亜塩素酸イオンや次亜塩素酸の割合は、水溶液中のpHによって変わってきます。
そのようなことから、水溶液中のpHによって次亜塩素酸ナトリウムから次亜塩素酸水にすることもできますし、その逆もできます。
詳しくは、以下のリンクを参考にしてください。
次亜塩素酸水は、次亜塩素酸ナトリウム水溶液よりも低濃度で殺菌効果が高く、ほぼ無臭で安全に使えます。
さらに、次亜塩素酸ナトリウム水溶液では、ほとんど死滅しない芽胞細菌※をより早く効果的に死滅することが報告されています *2)。
※芽胞細菌とは、熱にも耐性のある構造をもつ細菌類になります。確認試験では、枯草菌と呼ばれる種類が使われました。
弱酸性の次亜塩素酸水の場合は、うがいや口腔用の殺菌剤として使えますが、次亜塩素酸ナトリウム水溶液はアルカリ性で粘膜を刺激をしてしまうため利用できません。
殺菌、ウイルス効果は”次亜塩素酸”にはやや劣りますが、お部屋等の殺菌やインフルエンザ、ノロウイルス対策は、単に次亜塩素酸ナトリウム水溶液であるハイターを希釈するだけでも効果はあります(手荒れや臭いが気になるところですが..)。
ちなみにハイターでの殺菌剤の作り方は次のようになります。ご参考にしてください。
ハイター(次亜塩素酸ナトリウム水溶液)を用いたお部屋で使える殺菌剤の作り方
市販されているハイターの原液濃度は約5%(50000 ppm)で、けっこう高濃度なので、原液でなく希釈したものを殺菌剤として利用します。
臭いも結構きついので、希釈の割合は、衛生面で気をつける場合と、少し薄めの部屋での殺菌用に作り分けたほうがいいかと思います。なので、今回は2タイプの作り方をお伝えします。
作るときには原液がついたら手荒れをするので、手袋をして、換気がいいところで作業をしましょう。
【ノロウイルスの嘔吐物の処理など衛生面でかなり気をつける場合】
1Lの水に20 mLのハイターを入れて希釈して作ります(1/50希釈 0.1% 濃度 1000 ppmの場合)*3)。
洗面器などで作るのも臭いや後処理が大変ですので、次のようにペットボトルで作ってもいいかもしれません。
500mLつくる場合⇒ペットボトルに水を500mL入れた後、ハイターを10mLを加える。
250mLつくる場合⇒ペットボトルに水を250mL入れた後、ハイターを5mLを加える。
どちらもペットボトルに入れた後、フタをしめて撹拌して濃度を均一にします。
【衣類や部屋での殺菌、ウイルス対策等の場合】
1Lの水に4 mLのハイターを入れてつくります(1/250希釈 0.02% 濃度 200 ppmの場合)*3)。
次のようにペットボトルで作ってもいいかもしれません。
500mLつくる場合⇒ペットボトルに水を500mL入れた後、ハイターを2mLを加える。
250mLつくる場合⇒ペットボトルに水を250mL入れた後、ハイターを1mLを加える。
こちらもペットボトルに入れた後、フタをしめて撹拌して濃度を均一にします。
ただ、ハイターを希釈する時に独特の臭いが気になるところです。
しかもこぼしたときには、部屋中がハイター臭くなることがありますよね。
臭いが気になる場合は、臭わない”次亜塩素酸ナトリウム水溶液”も市販されています。
しかも、希釈せずにスプレー式でそのまま使えるので便利です。
部屋の殺菌で少し使うだけだったら、こういったものを活用してもいいのかもしれません。
話は戻りますが、次亜塩素酸ナトリウム水溶液よりも殺菌効果が高く安全な次亜塩素酸水は、簡単な原理の装置で作ることができます。
次亜塩素酸水は装置で簡単に作れます。
次亜塩素酸水は、以下の原理で作られます。
図1.次亜塩素酸生成原理
図1は、厚生労働省 次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの同類性 に関する資料から抜粋しました。
(※ 資料の数値に文字化けがありました。2eと書かれたところは2e–でイオンというところが分かるのですが…数値がちょっと分かりません。確認ができ次第、訂正します。とりあえず、原理の参照程度に見てくださいね。)
図1に作り方の模式図を示しています。
”強酸次亜塩素酸水”となっていますが、弱酸でも原理がほぼ同一なため、掲載しました。
作り方の原理は..
- 膜のついた電気分解を行う装置に食塩水を入れる。
- 電気分解を行うと、電解槽の陽極側食塩(NaCl)や水道水に含まれている塩化物イオン(Cl- )から塩素ガス(Cl2 )が発生する。
- 2.で発生した塩素ガスが水(H2O)と反応して次亜塩素酸(HClO)と塩酸 (HCl)ができる。
という流れです。
この3.でできたものが弱酸性の次亜塩素酸水になります。
塩酸も同時に作られますが、ごく僅かなので弱酸性です。
さらに続けて電気分解を行うと塩酸の影響で、強酸性の次亜塩素酸水になる可能性があります。
作り方の原理は難しそうに見えますが、意外とシンプルではないでしょうか?
(化学記号が苦手な方は、見慣れないで難しく感じてしまうかもしれませんが….)
その他に、電気分解装置で大切な役割があるものとして、図1の中央に記してある隔離膜があります。
この膜で使われているものは、イオン交換膜といって、陽極で作られた弱酸性次亜塩素酸水の酸性状態を保つ上で必要不可欠なものです。
イオン交換膜は、陰イオンまたは陽イオンのどちらか一方を通す反面、その逆は通さない性質の膜になります。
陽イオン交換膜の場合では、陽イオンだけ通し、陰イオン交換膜では陰イオンだけを通します。
次亜塩素酸水を作る装置の場合では、陽イオン交換膜が使われているのが多いようです。
この膜のおかけで陰極側で作られた水酸化物イオンの流入から免れ、陽極側では次亜塩素酸や塩酸が中和されるのを防いでいます。
今回、生成原理でご紹介した装置は、陽極、陰極側を膜で二室に別けた装置になります(二室型電解槽と呼ばれています)。
この装置では、陽極、陰極側両方共に生成した次亜塩素酸水に、食塩が混入してしまうという欠点があります。
そのため、食塩が入ったまま使うか、もしくは食塩を取り除く別のシステムを取り付けて活用しているようです。
現在では、電気分解で使用する食塩水を予めイオン交換膜で挟み、生成された次亜塩素酸水への食塩の流入を抑えた三室型電解槽が使われている装置もあるようです。
三室型は食塩が生成物に混ざっていないので、陽極側の次亜塩素酸水側の電極の劣化が少ないとうメリットもあります。
塩を添加して、水の電気分解でつくるコンパクトな安価な装置は次亜塩素酸水?違いは?
家庭用の場合は、コンパクトで使い勝手が良いように作られている電解水装置があります。
原理が簡単なので、装置もそこそこの値段で購入できます。
とりあえずどれでもいいやということで、上記の装置を選んでみても次亜塩素酸を発生させることはできますが、電気分解で生成したイオンを隔離するシステムがないため、アルカリ性の”次亜塩素酸ナトリウム水溶液”になってしまいます。
ということで、上記の装置はアルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム水溶液生成装置だということになります。
(説明にも書いてあると思いますが…)
次亜塩素酸を期待している方は、後述の次亜塩素酸水生成器を参照にしてくださいね。
ちなみに、弱酸性の次亜塩素酸水は金属の腐食性が少ないのが特徴ですが、次亜塩素酸ナトリウム水溶液はアルカリ性の性質で金属部品を劣化しやすい性質があります。
そして、上記の装置も含め、次亜塩素酸水を生成する装置でも比較的安価な装置の場合(上記で紹介した一万円程度の装置の場合)、耐久性や電気分解を行う電極や周辺部品が業務用より劣る可能性があります。
一例ですが、業務用や家庭用でも一般的に高価な商品の電極は、電気分解をしても金属の溶出が少なく、身体にもほとんど無害で導電性が良い”白金”のコーティングや合金でもグレードの高いものが使われています。
安全な電極の一例、メーカ情報になります。(次亜塩素酸ナトリウムとなっていますがほぼ同意です)⇒http://www.permelec.co.jp/products/pdf/DSEwater.pdf
安価でも、せめて”白金”などの安定的な電極の記載がされたものを購入したほうがいいですし、数千円〜1万円と安価なものの場合、周辺部材の情報公開されていないメーカさんも多いのが実情で、耐久性に疑問が残ります。
装置の耐久性のデメリットはさておき、CLERN MAKERで作られた”次亜塩素酸ナトリウム水溶液”は、食品添加物として認められているものなので、台所周辺や家庭内の殺菌・消臭用としてあちこち活用できます。
⇒次亜塩素酸ナトリウムは、食品洗いでも使えるようですが…デメリットも。
一般的に市販されている安価な次亜塩素酸水生成装置でも、5分間程度で使用するには十分な有効塩素濃度(約200〜500 ppm前後)の次亜塩素酸水が作成できます。
下駄箱やお手洗い付近の消臭、殺菌、ウイルス対策(インフルエンザ、ノロウイルス)など、身の回りの衛生を保つ目的で使うには十分です。
家庭用でも比較的装置は高価なので、ほんの少しだけ短期間使いたい場合は、わざわざ次亜塩素酸の生成器を購入しなくても既製品で予め工場で生産された”次亜塩素酸水”を購入して活用した方がいいかと思います。
高濃度で家庭用の生成器で作製したものよりも純度が高く、高品質で、先程ご紹介した次亜塩素酸ナトリウムとは異なり、弱酸性ですぐに水に戻る性質があるため、口内やうがい用として活用できます。
ただし、次亜塩素酸水は安全とはいえ、飲み込むのは控えてくださいね。
市販の次亜塩素酸水はどんなもの?最適な濃度や活用方法とは。
次亜塩素酸水として市販されているものは、希釈せずに使えるものもありますが、200〜500 ppmと高濃度で希釈して使うタイプが多く見受けられます。
ちなみに濃度は、使用する目的や場所によって変わってきます。
例えば空間に噴霧する場合は、100〜50 ppm程度で十分です。
次亜塩素酸水を希釈する方法については、以下をご参照ください。
★次亜塩素酸水の濃度を100 ppm にする場合
200 ppmの次亜塩素酸水では2倍希釈(1/2の濃度)を行い、500 ppmの次亜塩素酸水であれば、5倍希釈(1/5の濃度)をします。
・500 mLのペットボトルで、200 ppmの次亜塩素酸水を100 ppmに希釈する場合
→ペットボトルに250 mLの水を入れた後、200 ppmの次亜塩素酸水250mLを入れます。
・500 mLのペットボトルで、500ppmの次亜塩素酸水を100 ppmに希釈する場合
→ペットボトルに400 mLの水を入れた後、500 ppmの次亜塩素酸水100 mLを入れます。
★次亜塩素酸水の濃度を50 ppmにする場合
200 ppmの次亜塩素酸水では4倍希釈(1/4の濃度)を行い、500 ppmの次亜塩素酸水であれば、10倍希釈(1/10の濃度)をします。
・500 mLのペットボトルで200 ppmの次亜塩素酸水を50 ppmにする場合
→ペットボトルに375mLの水を入れた後、200 ppmの次亜塩素酸水125mLを入れます。
・500ppmのペットボトルで500 ppmの次亜塩素酸水を50 ppmにする場合
→ペットボトルに490 mLの水を入れた後、500 ppmの次亜塩素酸水10 mLを入れます。
濃度が濃ければ殺菌効果は高いのはもちろんですが、50 ppmの濃度の次亜塩素酸水に15秒間浸け置いただけでも細菌が死滅することが確認されています。
上記でもご紹介しましたが、次亜塩素酸の細菌の殺菌効果のメカニズムは過去記事にあります。
ジアニストという商品の活用方法の例ですが、活用する場所と濃度は以下のようになります。
市販の場合は、一袋2000 mL 1000円程度になります。しかも希釈して使えるので、お得なような気がします。
先程商品名を出しましたが、ジアニストは、濃度500 ppmと業界最高濃度の次亜塩素酸含有量の商品になります。
こちらはメーカ違いの@クリアになります。Amazonでかなり販売実績やレビューがありますが、ジアニストと変わりません。
次亜塩素酸水自体、直射日光(光や熱)に弱く、分解しやすいため、希釈した次亜塩素酸水は遮光ボトル(スプレータイプが便利)での保管をおすすめします。
高濃度タイプをご紹介しましたが、希釈せずに買ってきてすぐに使える次亜塩素酸水(50 ppm前後)も市販されています。
こちらの”CELA”という商品は、成分表に”次亜塩素酸ナトリウム”と記載されているものの、次亜塩素酸ナトリウムのpHを調整して”弱酸性の次亜塩素酸水”に調整したものになります。
他社メーカの次亜塩素酸水商品と同じような使い方ができます。
CELAは、ニキビや脂漏性皮膚炎、アトピーで悩んでいる方のケア商品としても使われているみたいです。
肌ケア用に正式に認められているものではないので、あくまで参照程度になりますが、下のリンクでご覧ください。
・肌のトラブル対策について
→【美肌対策】弱酸性次亜塩素酸水でニキビは改善できるのか?
・頭皮の脂漏性皮膚炎対策について
→頭皮の脂漏性皮膚炎対策で次亜塩素酸水は本当に効果はあるの?
口内のうがい、洗浄に使える次亜塩素酸水もあります。
歯科用の”POICウォーター”と同じ成分で、口臭予防、虫歯予防、歯周病予防に対して使えるものになります。
メーカーサイトでは、”口臭が劇的に消える”との記載もあるようですが…実際のところ使ったことがないので、入手できればブログ内で報告してみようかなと思っています。
ガンガン使うので、大量に作りたい。高価なタイプの次亜塩素酸生成器(整水器)はどうなのでしょうか?
それでも、通年でずっと使いたい場合や衛生的な場面で沢山使いたい場合でしたら、次亜塩素酸がきちんと作れる装置をおすすめします。
ちなみに、次亜塩素酸水生成器(整水器、または製造装置)の装置の方式は、電極の分類の他にも生成したものが層に分かれて貯められるバッチ式と水道のように流れて出される連続方式というタイプに分類されています。
バッチ式次亜塩素酸水生成器(整水器)の場合
こちらの商品は、電極部品は白金チタンと明記されており、国内メーカー品の次亜塩素酸生成装置になります。
二層の層に分かれて電気分解をするタイプになり(バッチ式)、生成した次亜塩素酸はタンク内部に保管されます。
一度に大量に作って、ある程度の期間保管して使うのにはいいかもしれません。
市販品製造装置の場合、次亜塩素酸水という表記が弱酸性電解水、もしくはそれよりもさらにpHの低いものが作れる強酸性電解水装置と表示されていますが次亜塩素酸水と同等な意味になりますのでご安心下さい。
連続方式の次亜塩素酸水生成器(整水器)の場合
水道水のように次亜塩素酸水が流れ出て来るタイプ(連続方式)には次のようなものがあります。
バッチ方式のように一度に大量に作ることはできませんが、少しだけ使いたいときには水道水のように気軽に次亜塩素水が使えるので便利です。
こちらは、アルカリイオン水整水器となっていますが、弱酸性水(次亜塩素酸水)も作れます。
2万円とお手頃で、しかも安心安全な国内メーカー品になります。
しかしながら、上記の原理で示したような食塩の塩素を使って次亜塩素酸をつくるのではなく、水道水のごく僅かな”塩素”を活用して次亜塩素酸水を作るタイプになるので、濃度が濃い次亜塩素酸水があまり期待されません。
水道水に入った塩素を活用するものなので、ある程度は殺菌効果が期待されるものが作れますが、どの程度有効な物が作れるか未知数です(残念ながら、メーカーサイトにて濃度の記載を見つけることができませんでした)。
連続式タイプで本格的な家庭用のものは次のようなものがあります。
次亜塩素酸水でも弱酸性〜強酸性、そして、アルカリイオン水まで幅広く調節ができて、美容、健康、お料理、衛生用など様々な用途の機能水が作れて大変使い勝手がいい仕様となっています。毎日色々活用できそうです。
また、安心安全な国内メーカーで、白金コーティングのチタン電極が使われていることが記載されています。
さらに、今回ご紹介した連続方式の浄水器は”管理医療機器”として指定されており、第三者期間で認められたものになります(上記のアルカリイオン整水器もそうですが…)。
おすすめしたいところなのですが、20万円以上とお高いのが欠点です……
噴霧器タイプの次亜塩素酸装置がありますがどうでしょうか?
以前業務用で出されていましたが、家庭で使える噴霧・加湿器タイプの次亜塩素酸装置もあります。
空気清浄機も付いている比較的部品に関して安心できる皆さんご存知の国内メーカ品(Panasonic)になります。
パナソニック 次亜塩素酸 空気清浄機 ジアイーノ ~10畳 ホワイト F-MV1500-WZ
パナソニックのプレスリースによると
近年、介護施設、病院や保育所・幼稚園など多くの人が集まる空間では感染対策が欠かせない取り組みとなっています。また介護施設等では、除菌だけではなく、し尿臭などのニオイの除去も課題となっています。
本製品は、本体内で生成された次亜塩素酸(電解水)を除菌フィルターに含浸させ、汚れた空気を通過させる「気液接触方式」で除菌・脱臭する機器です。特長は、
次亜塩素酸(電解水)の力で高い除菌効果とパワフルな脱臭効果を実現
とメーカサイトに記載がありました。
空気清浄機機能と次亜塩素酸を発生する機能があるので、ウイルス対策だけでなく花粉症やいろいろ生活環境改善にはいいかもしれません(また加湿器としての機能もあります)。
安価なタイプもありますが、こちらの商品であれば10万程度と高価なものとなります。
噴霧・加湿タイプの場合、それほど機能を求めないのであれば、先にご紹介したパックに入った次亜塩素酸水をアロマディフューザーや加湿器(*)に希釈して入れて使っても十分消臭・脱臭、抗ウイルス効果はあります。
*次亜塩素酸水では、塩化ナトリウムが添加してあるので、水道水よりもミネラル分がさらに析出し、吸着しやすい状態になっています(ミネラル分が固くなって吸着したものを”スケール”と呼ばれています)。
加湿器タイプの場合は、できれば次亜塩素酸水を入れて使う実績が記載されているものをご利用下さい(加湿器は、”水道水専用”と明記しているものもあるので、ご注意下さい。)
これらの装置は加湿も十分できるので、単に次亜塩素酸水をまくよりもウイルス対策効果は高いと思われます。
価格も安いし、短期間の間だけでも気軽に使うことができます(先程にも記載しましたが、市販品の次亜塩素酸を購入した場合、50 ppm〜100 ppm程度に希釈して使ってくださいね)。
★千円台のアロマディフーザー
★次亜塩素酸水 ジアニスト(商品名)とセット販売されている超音波加湿器の単品になります。
こちらも6000円台と非常に安く購入できます(もちろん他のメーカーさんも多用な物を販売していますが、高価な装置になれば、設定が細かくできますし、床に湿気が落ちにくいなど工夫もされています)。
次亜塩素酸水を入れて加湿できる実績があるので、こちらの商品のようなものを使われてみてもいいかもしれません(ジアニスト以外の次亜塩素酸水を購入して使われても大丈夫です)。
また、コンパクトなアロマディフーザーに比べて広範囲(10畳程度)に使えます。
まとめ
長くなりましたが、本格的な装置を購入すると十数万円と掛かってしますので、短期間だけ少量使いたい場合は、安価で安全な市販の「パック品」を買ってきて活用した方がいいと思います。
それでも、毎日ガンガン使われる場合でありましたら装置の購入を検討していくという感じでいいのではないでしょうか。
装置は高価ですが原料が水と僅かな塩だけなので、原料代はそれほどかからなくなってくると思われますし。
(ただし、メーカーによっては使う塩もメーカー指定のものを使わないといけない場合があるのですが…)
色々検討して、一番使い勝手がいいものを選んでくださいね。
※今回は液体タイプの弱酸性次亜塩素酸水についてご紹介しましたが、固形タイプで車にもおける人体に比較的安全なハロゲン系の殺菌剤があります。
参考文献
*1)小 野 朋 子. (2014) 弱酸性次亜塩素酸水溶液の殺菌効果の基礎的検討および食品・畜産分野への適用に関する研究. 鳥取大学卒業論文(非出版物)
*2)厚生労働省の参考資料 資料4 次亜塩素酸水
*3) 広島市 消毒液の作り方と使用上の注意(次亜塩素酸ナトリウム)より
ブログランキングに参加しています!
ポチッとご協力いただけたらうれしいです。