ローズ油とはどんな性質の化粧品原料?

ローズ油 精油成分 イメージ図

ローズ油は天然植物のバラから抽出した精油で、化粧品の機能性を良くする香料原料になります。

文字通りバラのいい香りがする精油ですが、炎症を抑えたり、肌の状態を整える「ゲラニオール」といった機能性のある成分も含まれています。

アロマテラピーで使われている精油(エッセンシャルオイル)と同じ製法で抽出された原料になりますが、どういった性質のある原料なのか見ていきましょう!

 

★ 使用用途別の表示

用途 表示名
化粧品の成分表示 バラ油
医薬部外品(薬用化粧品)の成分表示
INCI名(化粧品の国際名称、英語表記) Rose Flower Oil

(参考文献 *1)

★化粧品原材料のまとめ(分類、用途、主要な成分の構造と由来)

成分の分類 香料(植物精油、エッセンシャルオイル)
化粧品での配合目的・用途
(米国パーソナルケア製品協議会で名称登録時の用途)
香料
香りの特徴 気品のあるフローラルな香り
期待される効果・作用※1
(*文献 2)
作用:精神の安定、収れん、炎症を抑える、皮膚軟化、抗菌、抗ウイルス、ホルモン調節など

肌への適応:あせも、ニキビ、肌荒れ、しわ、しみ、傷あと、色素沈着、湿疹、スキンケア全般、妊娠線の予防、かゆみ肌の弾力回復など

その他への適応:香りの精神作用(鎮静、うつ状態の回復、精神を高揚させる、多幸感、性的強化)など

構造
含有量:精油の安全性ガイド 第2版(2018年) 参照
香料の主要な成分:

lシトロネロールの構造

(−)-シトロネロール(ローズ(ダマスク)16.0-43.5%、ローズ・アブソリュート 8.8-12.0%)

ゲラニオールの構造式

ゲラニオール(ローズ(ダマスク)2.1-25.7%、ローズ・アブソリュート 4.9-6.4%)

主産地 ブルガリア、トルコ、モロッコ、フランス、エジプト
成分の由来原料(基原) バラ科のバラ(バラ:Rosa ※2)の花を溶剤(n-ヘキサン、石油エーテルなど)で抽出したもの

※1 文献を参照していますが、医薬品のように症状の改善が確実に保証されたものではありません。参照程度に留めておいてくださいね。

※2 化粧品表示成分でバラ油は、品種の指定がないものです。

同じバラ油でもブルガリア産のダマクスバラやプロバンス産のセンチフォリアバラから抽出したバラ油は、「ダマクスバラ油」、「センチフォリアバラ油」というように品種が明記されたバラ油があります。

「バラ油」はどちらの種類の精油も含みますが、どちらかといえば、センチフォリアバラ由来のものがほとんどです。

(参照文献 1,2,3 )

 

精油成分について詳しくはこちら

★シトロネロール

★ゲラニオール

 

参考文献

*1) 日本化粧品工業連合会 編集 (2013年) 日本化粧品成分表示名称事典、付録5、p616-p751

*2)三上杏平(2010)エッセンシャルオイル総覧改訂版 ,p92

*3)和田 文緒 (2008) アロマテラピーの教科書―いちばん詳しくて、わかりやすい!

*4)岸田 聡子 林 真一郎 (監修), Robert Tisserand (原著), Rodney Young (原著), 池田 朗子 (翻訳), 八木 知美 (翻訳), (2018年) 精油の安全性ガイド 第2版 ,808-827,854-856

 

ブログランキングに参加しています!

ポチッとご協力いただけたらうれしいです。

手作り化粧品 ブログランキングへ