ボディーソープと洗顔料の違いはあるのでしょうか?実際使えるのでしょうか?

結論から言うと使えなくもないですが、成分によって合わないこともあります。

洗顔料は顔に使うので、皮脂が取れすぎないようにしているようにしているとか、ボディソープを洗顔に使ったら肌荒れをするとも言われていますが、洗浄成分である界面活性剤の種類や洗い流すときの最終的な割合はお互いそれほど変わらないようです。

そもそもボディソープではなく石けんを使っている人の場合、身体だけではなく顔も石けんを使っていることも多いこともありますし。

洗顔料の方がよりしっとりめの保湿成分を配合している傾向があります。

反対にボディソープは商品にもよりますが、さっぱりした質感をだすために界面活性剤が顔よりも強いものが使われていたり、体臭を防ぐために洗顔料よりも香りが強くなっている傾向があるようです。

ボディソープを顔に使った場合だと肌荒れが起きそうですが、洗顔料を身体用に使ったほうが肌トラブルは少なそうです(触感がベトベトしそうですが…)。

実際、成分的にどうなのかそれぞれ見ていきます。

洗顔料の成分について

前々回の記事(シャンプーは洗顔につかえるか)の記事で洗顔成分についてお伝えした内容とかなり重なる部分がありますが、簡単に洗顔料の成分について説明します。

市販の洗顔料は、液体のものよりもチューブに入った洗顔フォームが多くなっています。

下に参考例を出していますが、洗顔フォーム場合、7割が界面活性剤成分と水性成分よりも多くなっています。液体の物が増えすぎるとチューブで保管がしにくくなるためです。

その他の残りの成分としては、主に水やグリセリンなどの水性成分になります。香料や増粘剤、キレート剤(石けんを泡立たせやすくなる成分)、防腐剤などが少量含まれます。

チューブではない液体状や泡立つ洗顔料の場合であれば、水性成分の割合の方がぐっと多くなって界面活性剤よりも割合が多くなります。

赤ちゃんタイプの泡洗浄剤は薄くなっている傾向はありますが、最終的に洗顔のときに洗い流す界面活性剤の量は洗顔フォームとほとんど変わらなくなってきます。

成分 一例

水、ミリスチン酸K、グリセリン、BG、ラウリン酸K、ラウリルグリコール酢酸Na,ラウリルベタイン、コカミドDEA、ステアリン酸K、ココイルメチルタウリンNa、ラベンダーエキス、ヨモギエキス、ハトムギ種子エキス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ココアンホ酢酸Na、EDTA-2Na、トコフェロール、安息香酸Na、香料

(文献*1)化粧品成分表示のかんたん読み方手帳よりボディーソープの項目引用

成分については、肌や目への刺激性や洗浄力をマイルドにするためにアミノ酸系の陰イオン界面活性剤やベタインといった両性イオン界面活性剤の洗浄剤が配合されているものの、未だに市場にでている洗顔料の主成分の9割が石けんであるとの情報があります(文献*2)。

参考例の資料は代表的な成分内容で、石けんが使われている洗顔フォームになります。

上の成分表でいうとミリスチン酸K、ラウリン酸K、ステアリン酸Kが石けん成分で、特にK(カリウム)が配合された液体状の石けんになります。

しかも、成分表は基本的に配合量の多い成分は上から左に向かって順番に書く慣習があるので、ミリスチン酸とよばれる石けん成分が一番多い配合となっています。

石けんは泡立ちがよく、肌の皮脂もよく落として、コストも安いということでよく使われているようです。

石けん主体の洗顔料の場合、皮脂が取り除かれた後のツッパリ感を緩和させるために保湿性のある水溶性分が添加されています(上の成分例では、グリセリンやBG)。

結局、市販されている洗顔料9割のものが石けん成分主体のものであるならば、保湿成分に工夫がしてあるといっても身体を石けんで洗っているのと変わらない状況です。

保湿成分が多く含まれているので、身体に使った場合、肌触りがちょっとぬるっとした感触になるかもしれませんが、使えなくはないと思います。

 

ボディソープの成分について

ボディソープについても以前(シャンプーは身体に使えるか?)というところでご紹介しましたが、こちらについても成分について簡単にご紹介します。

ボディシャンプーの場合、液体状のため洗顔フォームに比べて水性成分(主に水になります)が多く配合されています。

下に代表的な参考例を出しますが、2〜3割が界面活性剤性成分になります。

 

残りの6〜7割が水やグリセリンといった水性成分で、残りの成分は増粘剤、防腐剤、キレート剤などが入っています。

成分 一例

水、グリセリン、ミリスチン酸K、ラウレス硫酸Na、パルミチン酸K、ジステアリン酸グリコール、香料、コカミドMEA、ステアリン酸PEG-150、ラウレス-4、EDTA-2Na、ヒドロキシメチルセルロース、メチルパラベン、黄色4

(文献*1)化粧品成分表示のかんたん読み方手帳よりボディーソープの項目引用

ボディソープも洗顔料と同様に石鹸成分、上の成分例でいうところのミリスチン酸K、パルミチン酸Kといった石けんが主体ですが、さらに洗浄力を増すためにラウレス硫酸Naといった洗浄力がかなり強い陰イオン(アニオン)界面活性剤が配合されています。

ラウレス硫酸Naが配合されているものの、界面活性剤の主成分には石けんが使われているので、洗顔料の成分はそれほど変わりません。

上の例でいうとほとんど保湿剤的なものが見当たらないので、かなりさっぱりしたボディソープになります。

肌が弱い人がこの成分内容のものを洗顔に使うと、脱脂作用が強すぎて皮脂がとれれてつっぱってしまいそうです。

冒頭部分でボディソープを使って肌荒れが起きそうといったのは、そういった理由からです。

しかも、顔以外の身体でも皮膚のバリア機能が弱っている場合、ボディソープとして使っていても肌トラブルが起きそうです。

最近は、弱酸性のアミノ酸系の洗浄剤が主体のマイルドな界面活性剤配合の増えてきました。

しかも、顔にも使ってもいいという表記もあるようです。

そういったものであれば、ボディソープも洗顔として使えます。

 

ボディソープと洗顔兼用のものはどういったものをえれべばいい?

とりあえず、洗顔もできるもボディソープであれば何でもいいかといえばそうではありません。

例えば、花王の「ビオレu」の質問ページを見ると、

ビオレUは、「ビオレu」で顔を洗ってもいいの?

ボディウォッシュは、顔・からだ両方にお使いいただけます。

となっていました。

ところが成分表をみると…「ラウリル硫酸ナトリウムが…」

ある程度保湿成分も配合されているようですが、先程のボディソープの例とあまり変わりません。

どういった物がいいかといえば、次のような界面活性剤配合のものを参考にえらべばいいと思います。

避けるもの
  1. ラウリル硫酸Naなどのような 〇〇硫酸Na
  2. オレフィン(C14-16)スルホン酸Naなどのような 〇〇スルホン酸Na

といった硫酸系やスルホン酸系の合成界面活性剤は避けたほうがいいです。

かなり脱脂作用が強く、肌が弱い人であればバリア機能が低下をまねきやすいからです。

あと、石けんも肌が強い場合であれば、洗浄しても皮脂分泌によってアルカリ性が中和できます。
ところが皮脂分泌やバリア機能が弱っていた場合だと、皮膚トラブルが起きやすくなるので避けたほうがいいです。

肌に刺激を与えにくい洗浄剤の主成分は以下のものになります。

選んだほうがいいもの
  1. ラウレス-5酢酸Na といった ラウレス-○酢酸Naといった酸性石けん系(カルボン酸系)
  2. ココイルグルタミン酸TEA,ラウロイルアスパラギン酸Na といったグルタミン酸とかアミノ酸が洗浄成分主体のもの

酸性石けんは、天然アルコール(ヤシ油由来)や合成アルコール(石油由来)のラウリルアルコール誘導体原料と酢酸原料から作られたものです。

ラウレス-○酢酸Naという表記のものになります。○の部分は数字になります。一般的に数字が大きいほど刺激が少ない特徴があります。

石けんと同じように「カルボン酸」という構造があるものの、酸性側でも洗浄力があります。

また、石けんのようにさっぱりとして、ある程度洗浄力がある反面、生分解性がよく、肌に優しい界面活性剤になります(文献*3)。

⇒酸性石けんとはなに?

アミノ酸系はかなり有名になりましたが、比較的洗浄力がマイルドな成分になります。
潤いをのこして肌刺激が少なく、肌トラブルが起きにくいのが特徴です。

 

ボディソープと洗顔兼用できるおすすめの商品とは。

ココイルボディソープ

美容有名ブロガーかずのすけさんの書籍でおすすめのボディソープです(文献*3)。

カルボン酸系の酸性石けん配合ボディーソープになります。

アミノ酸系の洗浄成分も配合されていて潤いを残しつつ、さっぱりした場合や、お肌の皮脂が多い人向けの商品です。

化学者が美容コスメをつかったら改訂版 化学者が美肌コスメを選んだら・・・という書籍では、おすすめの洗顔料に推薦されていました。

成分については以下のようになります。

原材料・成分

水、ラウレスー5カルボン酸Na、ココイルグルタミン酸TEA、コカミドDEA、セテアレスー60ミリスチルグリコール、ペンチレングリコール、ラウリン酸BG、ヒアルロン酸Na、ポリクオタニウムー7、マコンブエキス、グリチルリチン酸2k、ローズ油、EDTA-2Na、フェノキシエタノール、エチルヘキシルグリセリン

[cocoil]ココイルボディソープローズ アマゾン 引用

先程ご説明したラウレス-5酢酸Naという酸性石けんの他に、他にココイルグルタミンTEAといったしっとり感のあるアミノ酸系の2つの陰イオン界面活性剤がメインの洗浄成分になります。

泡立ちを良くするために、アミノ酸系の増粘剤によく使われているコカミドDEA、セテアレスー60ミリスチルグリコールが更に添加されています。

さっぱりとした洗い心地があるものの、皮脂が過剰に取れ過ぎない特徴のボディソープになります。

アミノ酸系よりも洗浄力があるので、どちらかといえば脂性肌向けになります。

保湿効果あるヒアルロン酸、海藻エキス、さらに抗炎症効果のあるグリチルリチン酸2Kも配合されて、お肌に潤いを与え、皮膚トラブルを防ぎます。

成分表には香料にローズ脂が使われていますが、「ローズとベルガモットの2タイプの香り」があります。

ローズの場合、バラ科の香料アレルギーがある人は避けた方がいいです。

アマゾンでは、なんでかローズの香りだけ容器がついていますが…

ベビー全身シャンプーフレイチェ

他にボディソープとして、全身用のボディーシャンプーが使えそうです。

特に、おすすめなのは「ベビー全身シャンプーフレイチェ」になります。

洗浄主成分としてアミノ酸系の界面活性剤が使われていて、かなりマイルドに洗えます。

しかも、セラミドや角質層に含まれている保湿成分が配合されていて、洗い上がりもしっとりします。

肌が弱い人でも活用できそうです。

以前ブログで成分について紹介しました。次のリンクでご確認ください!

⇒シャンプーは洗顔でつかえるの?ベビー全身シャンプーフィレイチェを使って

 

ココイルボディソープを使ってみた結果は

私自身、ニキビができやすいオイリー肌になります。

オイリー肌ということもあって、肌への刺激が少ない酸性石けんの洗浄力を期待して、
ココイルボディソープ ローズを購入してみました。

アマゾン価格 1000mL 3780円と普段お湯洗顔しかしない私には、ちょっと価格帯が高めなように感じはしたんですが、普段から洗顔料を使う場合であれば、100mL 378円なるので、そこそこコスパはいい商品のようです。

 

Amazon ココイルボディソープ ローズ

私が購入したときにボトル入りがあったのかわかりませんが、大袋だと簡単に使えないので、詰替ポンプボトルを300均ショップで購入することに。

ボディソープ用のものではなく、便利かなと思って「ハンドソープ泡立ち用」にしてみました。

 

 

300均の詰替えボトル 300 mL

ところが、思ったよりも粘性が高い液体だったようで、ポンプを押しても泡立つどころか透明な液体のままほんの少しだけしか取り出せないことが発覚。

詰替容器の場合は、シャンプーやリンス用の(泡立たない)普通のポンプ容器にしてくださいね。

※ローズの香りを購入する場合には、500mLの詰替容器がついたものがあります!

取り出したボディソープは確かにバラのいい香りが。

 

 

ボディソープを取り出したところ

水をつけて軽く泡立ててみると、もこもことした白い泡は普通にできるんですが、水が多すぎた場合には泡立ちが弱いし、泡切れしやすいことが発覚。

ボディソープの粘性が高いので、少ししか取らなかった場合、すぐに泡がなくなるような感じはしました。泡立ちネットで泡立って使うことをおすすめします。

 

水をつけて泡立てたところ(水多めなとき)

とりあえず、ココイルボディソープで洗顔後、化粧水も何もつけずにお試しで使ってみました。

ココイルボディソープで洗顔してみると、ちょっとローズの匂いが気持ちキツくて気にはなりましたが、弱酸性なので。目や肌は洗い流してもしみる感じは全くしませんでした

しかも、顔に泡をつけても泡切れがよく、割と直ぐに洗い落とせるような感じはしました。

洗い流した後、ツッパリ感はほとんどありませんでしたが、時間が経つとなんとなく肌がカサカサするのが気になってくるように。

 

ココイルボディソープを4日間使ったときの肌の状態

なにか違和感を感じつつ、4日間過ぎた頃、洗ってタオルで拭いたときの肌がパリパリになってしまい、それ以降はボディソープの使用を取りやめました。

写真を撮ってみてもほとんど肌の状態の変化はなさそうなんですが…4日の肌はカサカサしています。

私自身ニキビがあったりして、肌が荒れぎみだったので合わなかった場合も考えられます。

ココイルボディソープで洗顔後にある程度、保湿力のある化粧水をつけていけばトラブルが無かったのかもしれません。

そうはいっても、石けんで洗顔してトラブルが起きない人であれば、弱酸性なのでより石けんよりもかなりマイルドに洗顔できるんですけどね。

洗顔後、化粧水など何もつけない場合だと、正常肌か、もしくはかなりオイリー肌の人じゃないとちょっと顔の皮脂が取られすぎるような気はしました。

肌トラブルや乾燥気味の人はどちらかといえば、ここいるボディソープよりも保湿力のあるベビー全身シャンプーフレイチェをおすすめします。

 

まとめ

ボディソープは洗浄力が強いものもありますが、洗浄力がマイルドな石けん系やアミノ酸系であえれば、洗顔料としても使えます。

洗浄力が比較的高い割にはマイルドに洗えるという評判があるボディソープの「ココイルボディソープ」を使ってみましたが、肌が弱っている私には洗浄力がちょっと厳しかったです。

洗顔で使う場合、石けんをつかってみてもトラブルがない正常な肌や皮脂分泌が多い人向けになりそうです。

皮脂分泌が少ない人であれば、ココイルボディソープよりもベビー用の全身シャンプー「フィレイチェ」などをおすすめします。

参考文献

参照図書・文献

1)化粧品成分表示のかんたん読み方手帳

2)オフスキンケア

3)改訂版 化学者が美肌コスメを選んだら・・・じつは10秒で見抜けます