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石鹸に使われている脂肪酸成分は….

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石鹸原料に使われている脂肪酸成分(例えば、ステアリン酸)は、皮膚に刺激を与える刺激物質になりうる可能性があるとお伝えしました。

前回の内容
石鹸に使われている脂肪酸って怖いもの?

しかしながら神経質になるほどでもなく、皮膚の常在菌によって分解されます。

さらに、これらの分解物をえさとして、常在菌は増えてきます。

常在菌は、酢酸、プロピオン酸などの有機酸を産生して、皮膚を弱酸性に保ち、常在菌はお互いに協力しあって、有害な細菌等から皮膚をしています(*5)。

脂肪酸も皮膚には重要な役割を果していることがわかります。

ただし、何らかの原因で皮膚に過剰にあった場合はお肌のトラブルになるので、バランスが重要です。

そもそも石鹸によく含まれている脂肪酸の一種のステアリン酸は、人の脂肪や牛脂の主成分となるものなので”毒性”は極めて低いのではないでしょうか。

ただし、皮膚の刺激物になる(*1)という報告もあるので、過度に皮膚の常在菌を除菌して分解しにくくなる環境を避けたいです。

 

脂肪酸も皮膚に役立ってはいるんですが..種類やバランスで違ってくるので難しいですね。

以前、石鹸の界面活性剤の負担を減らすにはどうすればいいか記事でお伝えしました。

以前の内容
石鹸には注意が必要?

そこでの注意点として

・ 短時間で使用する
・ 薄い濃度で使用する

の二点をご紹介していました。

手荒れを防ぐ意味でも外からの付着した菌(外来菌など)を落として、なるべく皮膚の常在菌を落としすぎない石鹸を使った手の洗い方はどのようにすればいいのでしょうか?

手洗いは石鹸が推奨されていますがどのように使えばいいのでしょうか?

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手荒れを防ぐ石鹸の使い方の前に、参照程度に洗い方の流れについてご紹介します。

ちなみに、洗浄につかう道具において石鹸がベストかどうかは別として、”手洗いには石鹸”を使うようにと文部科学省のマニュアルに記載されています。
(最近は石鹸以外にも液体石鹸などもあるんですが…とりあえず、マニュアルは学校給食を取り扱うものになっています。手に付着した汚れを単に落とすだけではなく、”衛生面”を重視した内容になっています。)

⇒マニュアルはこちら

衛生面を重視した内容なので石鹸を使用した後、手についた菌を殺菌するためにエタノールを推奨しています。

大変衛生面に気をつけた内容になっているので、通常はここまでやる必要はありませんが、石鹸で洗浄して手を乾かすまでの過程に以下の工程があることが分かります。

・ 石鹸で泡立てこする
・ 石鹸を洗い流す
・ 濡れた手を乾かす

それぞれに手についた汚れや外来菌を適度に落として、濡れた手を乾かすにはちょっとしたコツややり方があります。

それでは、
1つずつみていきましょう。

石鹸で泡立てこするのはどうやったらいいのでしょうか?

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石鹸で泡立ててこすって洗うことに関してですが…

先に結論から申し上げると通常の場合は、数十秒程度で泡立てて軽く手肌全体をまんべんなくこすり洗いすれば十分だそうです。

以前報告した内容と重なる部分がありますが、手肌にいる外来の菌を落とすための石鹸での洗浄時間は数十秒程度の短期間で十分だと思われます。

むしろ、汚れや外来の菌を落とすためには、後の洗い流す過程や手を乾かす間の処置の方が重要なようです。

話を泡立てる過程にもどしますが、石鹸を泡立てて丁寧にこすればこするほど、手の中の菌数が増えてくるということが報告されています。

報告された実験例では8秒間〜 30秒間手洗いをした後に菌数を測定したこところ、石鹸でこすって洗う時間が長いほど手の中の菌数が増えたそうです(*2)。

(石鹸を使っていない試験も行っています。しかし、石鹸を使ったほうが明らかに菌数が増えています。)

これは、手の表面の菌が剥がれただけではなく、毛包(毛の組織)や角質細胞の間にも存在している菌が洗浄によって現れてでてきたのではないかと考えられています(*2, *3)。

手肌の洗浄の目的にもよりますが、手肌の汚れと外来の菌等を落とすためであれば、毛穴奥深くいる常在菌まで取る必要はないかと思われます。

また、石鹸を長時間使えば使うほど、肌への負担も増えてきます。

別の報告では、ごく普通の石鹸でさっと洗うだけでも手に付いた菌やウイルスの95%が取り除けるそうです(*4)。

ちなみに普通の石鹸で短期間に洗浄した場合で、菌が取り除かれる過程は除菌に分類されます。

菌がほとんど死滅しないので、殺菌にはなりません(*2)。

時間が経てば、皮膚の常在菌は元通りの菌数になってきます。

(*2)、(*4)の文献では、手肌の菌だとどれくらいで取れるかとか、手肌奥深くの菌の場合はどれくらいかければいいかなど、深い考察がないのが残念でしたが…

しかし、これらの結果からでもごく短期間(数十秒程度)で手肌にいる菌が除去でき、さらにやりすぎると逆に増えてくることが分かります。

そのため、手洗いの時間は手荒れを防ぐ意味でも“通常の場合は、数十秒程度で十分”であると考えられます。

ただし”衛生面を気をつける場合”は、文部科学省のパンフレットや各所の指導に則って石鹸をお使いくださいね。
今回の方法は、”あくまで日常的な場面の方法”になるのでご注意を。

石鹸での手洗いの続きの記事は、こちらになります。
・ 石鹸の洗い流し方

・ 濡れた手の乾かし方

ちなみに、石鹸での手荒れが気になる方は、石鹸を使わなくても衛生的に洗える方法があるようです。

石鹸を使わずに手を洗う方法とは。

 

 

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*1) 非接触皮膚科学 (2010)「第233号 14以上は?『脂肪酸と菌』の秘密」
http://hisesshoku-derm.com/archives/2010/04/23314.php
(2016-06-03参照)

*2 )山本 恭子 鵜飼 和浩 高橋 泰子 (2002) 「手洗い過程における手指の細菌数の変化から見た有効な石鹸と 流水による手洗いの検討」
環境感染 17 (4), 321-334
http://www.solmind.com/hclo/eiseikannri/tearai/tearaikatei.pdf

*3) Montes L. F., Wilborn W. H.: Location of bacterial skin flora. Br. J. Derm. 81 (S1): 23-26, 1969

*4) 石鹸百科「石けんで除菌はできますか?」
http://www.live-science.com/honkan/qanda/kitchen06.html
(2016-06-03参照)

*5) 牛嶋彊(2001), 「人体常在菌-共生と病原菌排除能-」163

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