グレーブフルーツ果皮油ってどんなもの?

グレープフルーツ果皮油 化粧品原料 イメージ図

文字通りグレープフルーツの皮の部分から採取された天然香料成分になります。

生のグレープフルーツの果実の匂いとはちょっと違いますが、柑橘系特有の爽やかで気持ちが落ち着くよい香りがします。

化粧品でよく使われている天然のアロマオイル成分ですが、どんな特徴があるか見ていきましょう!

 

★ 使用用途別の表示

用途 表示名
 化粧品の成分表示 グレープフルーツ果皮油
医薬部外品(薬用化粧品)の成分表示
INCI名(国際名称、英語表記) Citrus Grandis (Grapefruit) Peel Oil

 

★グレープフルーツ果皮油の成分の特徴

成分の分類 植物精油
香り 柑橘系の爽やかで甘めの香り
作用・効果・用途 香料、皮膚のコンディショニング剤(保湿作用、収れん作用)、育毛作用
構造

グレープフルーツ果皮油主要成分 d-リモネンの構造式

主要な香料成分:d-リモネン

成分の由来原料(基原) グレープフルーツ(学名:Citrus paradisi Macfacy)果皮を圧搾して採取したもの
主産地 アメリカ、イスラエル、ブラジル

(参考文献 *1, 2)
<

原料の由来と製法について

グレープフルーツ 精油 原料 イメージ図

原料のグレープフルーツとは

精油で使われているグレープフルーツも食用で使われているグレープフルーツも同じ品種になり、特に香料用として特別な品種は使われていないようです。

ここでざっくりグレープフルーツとはどんなものかざっくり説明しますね。

グレープフルーツは、18世紀中頃西インド諸島で発見されたもので、ブンタン(ザボン)とオレンジが自然交配したものです。

特に形や大きさなど特にブンタンの性質をよく受け継いでいると言われています。

ブンタンよりも樹木の背丈が5mと大きく、1つの枝にぶどうのように沢山なることからグレープフルーツという名がつきました。

市場で出回っているグレープフルーツのほとんどはホワイトタイプの品種がほとんどですが、果皮や果実が赤みを帯びているピンク、ルビーの品種もあります。

(参考文献 *3,4,5)

 

製法について

グレープフルーツ果皮油は、天然植物のグレープフルーツの外皮(外側の皮)を圧搾、精製したものになります。

機械で果皮を搾り取って香料成分を回収するわけですが、熱に不安定な成分も含まれているため、室温ではなく低温で処理されているようです(低温圧搾といいます)。

 

<ここからは、細かい製法の説明になります>

回収されたグレープフルーツ果皮の液体は、放置しておくと比重の違いで親油性の層と親水性の層の二層に分離します。

精油として使われている成分は親油性の層に溶け込んでいて、水よりも軽いので上部に浮きます。この上部の液体を回収したものが「グレーブフルーツ果皮油(グレープフルーツ精油)」となります。

ちなみに親水性の層も回収され、化粧品原料では「グレープフルーツ水」という名称で、香料としても使われています。

 

化粧品原料に使われている「グレープフルーツ果皮油」は、アロマテラピーに使われている「グレープフルーツオイル」と製法・成分的にはほぼ同一なものです。

※化粧品原料において、天然植物原料から抽出された〇〇油と記載され、精油とひとくくりにされます。アロマテラピー用語では、圧搾法で回収された成分は精油(エッセンシャルオイル)ではなく、エッセンスと分けて呼んでいます。

 

化粧品とアロマテラピー用とで何がちがうのかというと、アロマテラピー用のものは基本的には「雑貨※」になるので、化粧品のような成分表示をする義務がなく、お肌に直接塗布する目的で販売されているものではありません。

※エッセンシャルオイルの製法によれば、食品添加物(フレーバー)として製造・輸入されている場合があるようです。しかし、ネットを調査する限りでは、一般的には出回っていないようです(文献6)。

 

化粧品に含まれている「グレープフルーツ果皮油」は、配合量も決められていて皮膚トラブルがほとんど起きないようになっていますし、原料自体に何かあったとしてもメーカーが保証するようになっています。

グレープフルーツ果皮油の配合量は、皮膚に塗布する化粧品においては最大4%(IFRA[国際香粧品香料協会]:International Fragrance Association)とされています。

国内で流通している化粧品の場合、香料として1%以下で配合されているのが一般的です。

アロマテラピー用のものを購入されてお肌に使う場合も、1〜2%前後でお肌の様子を見て使ってくださいね。

 

グレープフルーツ果皮油の成分について

他の柑橘系と同じ様にモノテルペン系の芳香成分が主体で、約90%がd-リモネン(リモネン)となっています。

グレープフルーツには、ヌートカトン、オクタナール、デカナールといった微量成分が含まれていて、グレープフルーツ特有の芳香や作用を生み出しています。

作物の回収時期によって成分内容が変動しますが、基本的には次のものが含まれています。

 

★主な芳香成分

[モノテルペン炭化水素] d-リモネン    84.8-95.4%
β-ミルセン    1.4-3.6%
α-ピネン        0.2-1.6%
サビネン      0.4-1.0%
[ケトン類] ヌートカトン   0.1-0.8%

⇒ヌートカトンの詳細はこちら

[クロクマリン類]  ベルガプテン   0.012-0.19%
エポキシ-ベルガモチン 0.1126%
ベルガモチン                <0.11%

(参照:文献 7 精油の安全性ガイド 第2版より)

他の参考文献では
n-オクタナール
n-デカナール
といったアルデヒド類も含まれていることがあります。

(参照:文献 7 エッセンシャルオイルの作用と安全性を図解)

グレープフルーツ果皮油の作用とは

香りの効能

グレープフルーツの柑橘系の爽やで甘い香りによって、落ち込んだ気分を上げる効効果や交感神経を活性させる作用があります。

ストレスからくる食欲を抑える作用もあるので、ダイエットのときにグレープフルーツの香りを嗅ぐと効果的です。

ケトン類のヌートカトンの吸入によって、脂肪の燃焼を促す効果が期待される報告があります。

ただし、人の臨床試験ではないので過度な期待はしないでくださいね。

(参考文献 *8, 9 )

皮膚への作用

洗い流すタイプの化粧品に配合してあれば、さっぱりした洗い心地とともに、香料によって心地よい気分をもたらします。

皮膚自体には、皮脂の分泌を抑制し、ニキビや吹き出物、あるいは過剰に分泌する頭皮の皮脂を抑える作用があります。

さらに、含まれている「β-ミルセン」が紫外線によって起こるシワなどの光老化を抑えることを細胞実験によって確認されています。

(参考文献 *8, 9 ,10 )

入っている化粧品とは

どんな化粧品に入っているの?

シャンプー、洗顔、ボディーウォッシュなどのような洗い流すタイプの化粧品の他に、ニキビ予防として化粧水や乳液、オールインワンジェルといった基礎化粧品にも配合されています。

配合されている化粧品の種類

★脂漏性皮膚炎研究者が考えた頭皮に優しいスカルプシャンプー
すっぴん地肌 ナチュラルスカルプシャンプー<頭皮のかゆみ・フケ用>

アロマテラピー用のオイルを入手するには

アロマテラピー用のグレープフルーツのエッセンシャルオイルは、生活の木といったアロマテラピー専門店など購入できますし、アマゾンといったECサイトを活用してもいいでしょう。

安全性について

ほんの僅かですが、グレープフルーツにはベルガプテン、エポキシ-ベルガモチン 、ベルガモチンといったフロクマリン類が含まれているので日光にさらされた場合、光毒性があります。

そういったことから、化粧品への配合量は、4%までとなっています(国際香粧品香料協会 2009年推奨量 参考文献 *5)。

また、d-リモネンが酸化すると皮膚の感作性(アレルギー性)のリスクが上昇することが報告されています(参考文献 *5)。

 

高濃度の場合、動物実験で皮膚への刺激が確認されましたが、低濃度の場合だと刺激性や感作性は低い原料だとされています。

・未希釈のグレープフルーツ精油は、ウサギに対してわずかな刺激が確認されたが、
マウス及びブタには刺激性はなかった。

・濃度10%、100%のグレープフルーツ精油を被験者25人の2つのパネルに塗布したところ感作性はなかった。10%濃度で感作性を確認しても、症状は現れなかった。

(1974年Opdykeらの報告より参考文献 *5 )

 

発がん性や変異原性のリスクはほとんどないものとされています。

基本的には皮膚の刺激性や感作性は低く、リスクの低い原料と考えられていますが、皮膚の状態や化粧品の使用状況によっては、刺激となることがあります。

皮膚の様子をみて使ってくださいね。

参考文献

*1)日本化粧品工業連合会 編集 (2013年) 日本化粧品成分表示名称事典

*8)和田 文緒 (2008) アロマテラピーの教科書―いちばん詳しくて、わかりやすい!

*3) ウィキペディア グレープフルーツ(2019年2月2日アクセス)

*4) ウィキペディアグレープ ブンタン(2019年2月2日アクセス)

*5)霜川 忠正 (2007年) 化粧品有効成分ハンドブック

*6)三上杏平(2010)エッセンシャルオイル総覧改訂版 P32

*7)岸田 聡子 林 真一郎 (監修), Robert Tisserand (原著), Rodney Young (原著), 池田 朗子 (翻訳), 八木 知美 (翻訳), (2018年) 精油の安全性ガイド 第2版

*8)三上 杏平 (2008年) エッセンシャルオイルの作用と安全性を図解

*9)日経バイオテクノロジー 「花王生物科学研、グレープフルーツの香り成分ヌートカトンに肥満抑制作用、作用点はAMPK活性化で運動持久力向上<https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20111128/158146/>(2019年2月5日)

*10)Hwang E1, Ngo HTT1, Park B1, Seo SA1, Yang JE1, Yi TH1, (2019) Myrcene, an Aromatic Volatile Compound, Ameliorates Human Skin Extrinsic Aging via Regulation of MMPs Production.Am J Chin Med. 2017;45(5):1113-1124.
<https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28659037>(2019年2月5日アクセス)