精油・エッセンシャルオイルに含まれているβ-ミルセンとは、どのような芳香成分?

β-ミルセンが多いローズマリー精油 イメージ図

β-ミルセンは、爽やかな針葉樹のような香りが特徴の揮発性の芳香成分です。

特にローズマリー、ピンクペッパー、ホップ、パイン(マツ科)といった植物に多く含まれいます。

 

化学的にはモノテルペン炭化水素の構造に分類されているもので、同属のものとしては、α-ピネンβ-ピネンなどがあります。

ミルセンには、原子の数や種類が同じでも構造上の立体配置の異なる「α-ミルセン」という異性体がありますが、天然には存在しません。

そのため、単に「ミルセン」と呼ぶときは、β-ミルセンのことを指します。

ちなみに私が調べた限りのおいて、β-ミルセンはは化粧品単体成分(原料)としては使われていないようです。

 

その代りにβミルセンは、化粧品や食品などの人工香料としてよく使用されている「メントール」の中間体や原料で活用されています。

(参考文献 1,2,3)

 

β-ミルセンの性質と安全性について

★β-ミルセンの性質と安全性について

名称 β-ミルセン
IUPAC名
(化合物の体系名)
7-メチル-3-メチレンオクタ-1,6-ジエン
別名 ミルセン
英語名 β-Myrcene
分子式 C10H18
化学的分類 モノテルペン炭化水素類 (参考文献 4)
二環式モノテルペノイドアルケン(参考文献 5)
芳香 やや鼻をつくような微かに甘みのある香り

書籍(ビジュアルガイド精油の化学)を参照にすると、「有機溶剤のような香り」に例えられるようです。

期待される効果・作用 経皮吸収促進作用、害虫忌避作用、抗酸化作用、老化防止など (参考文献 3 ビジュアルガイド精油の化学参照)

 

【科学的なエビデンス】
・紫外線による肌の老化防止効果
日光にあたり続けていると、肌のシミやシワ、たるみといった皮膚の変化が起こって修復できなくなってしまう現象があります。それを光老化といいます。

ヒトの皮膚で光老化が起きると、真皮にある膠原線維や細胞間基質の構造が変化して元に戻らなくなる「変性」が起きていることが観察されています。

この変化を細胞や分子のレベルで調べてみると、ヒト皮膚の真皮の線維芽細胞では、活性酸素(ROS)や膠原線維の成分であるコラーゲンを分解するMMP-1(マトリクスメタロプロテイナーゼ-1)という酵素が増加することが知られています。

2017年Hwangらの研究によると、β-ミルセンを加えたヒトの繊維芽細胞では、UV-Bの照射後のROSやMMP-1の量を抑制することができたという報告例があります。

そのため、βミルセンは光老化といった肌の老化防止、つまりアンチエイジングに活用できるのではないかと期待されている成分になります(参考文献 4, 2017 Hwnag et al)。

構造式 β-ミルセンの構造式

β-ミルセン
出典:ウィキペディア ミルセン

安全性・毒性 【皮膚刺激性及び、アレルギーを引き起こす感作性について】

β-ミルセンは皮膚トラブルや皮膚刺激が比較的少ない成分だと考えられています。

β-ミルセンは、非刺激性、非アレルギー性、非毒性及び、抗変異原性としてみなすことができる。

その他 βミルセンは、比較的多くの植物にありふれた精油成分で、200種類の精油に含まれていると言われています。

(参考文献 3 ビジュアルガイド精油の化学参照)

 

βミルセンの含有量が多い植物とは?

βミルセンは多くの植物に含まれている成分ですが、特に含有量の多い植物としては、ローズマリー、ホップ、パセリリーフ、ピンクペッパーなどが挙げられます。

 

ローズマリーは、植物の生育環境によって成分が変化する化学種(ケモタイプ、略:CT)があり、その中で、βミルセンが際立って多い「βミルセンCT」のローズマリー精油があります。

代表的な種類と含有量を下の表にまとめたので、参照にしてくださいね。

 

★βミルセンの含有量の多い植物
参考文献 4, 精油の安全性ガイド 第2版 p948 より

含有精油名称 含有量(%)
ローズマリー
βミルセンCT
19.5-52.1
ホップ 25.4
パセリリーフ 7.8-23.8
ペッパー
(ピンク)
5.0-20.4
レモングラス
(ウェストインディアン)
5.0-19.2
パイン(ホワイト) 4.7-13.1
バーベナ(ハニー) 4.7-8.3
ローズマリー(α-ピネンCT) 1.1-6.0
パイン(レッド) 4.3-5.0

 

★関連記事

・ローズマリー葉油(ローズマリー精油について)

 

参考文献

*1) 日本化粧品工業連合会 編集 (2013年) 日本化粧品成分表示名称事典、付録5、p616-p751

*2)ウィキペデイア <https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%B3>(2018.02.22アクセス)

*3) 長島 司(2012)ビジュアルガイド精油の化学,59

*4)和田 文緒 (2008) アロマテラピーの教科書―いちばん詳しくて、わかりやすい!

*5)岸田 聡子 林 真一郎 (監修), Robert Tisserand (原著), Rodney Young (原著), 池田 朗子 (翻訳), 八木 知美 (翻訳), (2018年) 精油の安全性ガイド 第2版, 948-950

*6)Hwang E, Ngo HTT, Park B, Seo SA, Yang JE, Yi TH.(2017) Myrcene, an Aromatic Volatile Compound, Ameliorates Human Skin Extrinsic Aging via Regulation of MMPs Production. Am J Chin Med. 45(5):1113-1124.  <https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28659037>(2017年02月22日アクセス)

 

 

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