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界面活性剤には種類があります。

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界面活性剤とはどんなものかというと、その本体に水になじみやすい部分(親水基)と油になじみやすい部分(疎水基、親油基)を持ったものの呼び方(総称)になります。

水になじみやすいものと油になじみやすいものとの両者をつなぐ役割を果たし、それぞれを馴染みやすくさせる性質があります。

界面活性剤と聞いてすぐに思いつくのは、台所や洗濯機で使う洗剤などやシャンプー、石鹸等の汚れ落とし(洗浄剤)が一般的ではないかと思います。

界面活性剤の油になじみやすい部分が(油)汚れに吸着し、水になじみやすい性質の部分によって可溶化させることで”洗浄”作用を発揮します。

界面活性剤は、洗浄剤の他にも食品や化粧品など様々なものにも活用されています。

先程の洗浄作用の他に、混ざり合わない油と水とを混合する”乳化”に使われていたり、水に馴染みにくい成分を”分散”させる用途など多岐に渡ります。

界面活性剤と言うと作られたものをイメージしがちですが、天然のものでも界面活性剤の役割を持つものもあります。
例えば、牛乳の成分であるカゼインタンパク質等は界面活性剤の役割を果たし、牛乳の脂肪成分(乳脂肪分)が牛乳中で沈んだり、偏ったりするのを防いでします。

界面活性剤は親水基の部分の化学的な性質によって分類されています。

これまで石鹸についてお伝えしてきましたが、石鹸は”陰イオン界面活性剤”という種類の一種になります。

界面活性剤の化学的性質による分類
★イオン性界面活性剤(水に溶かすと電離してイオンになる界面活性剤)

さらに、3つに分類されます。

  ・陰イオン界面活性剤(またはアニオン界面活性剤)
⇒電離して水に馴染みやすい部分(親水基)が陰イオンになるもの

・陽イオン界面活性剤(またはカチオン界面活性剤)
⇒電離して水に馴染みやすい部分(親水基)が陽イオンになるもの

・両性界面活性剤
⇒電離して水に馴染みやすい部分(親水基)が陰イオン、陽イオン両方持っているもの

★非イオン界面活性剤
⇒水に溶かしてイオンにならないもの

に分かれれます。

続いてイオン系界面活性剤はどんなものかを説明していきます。

 

イオン性界面活性剤(陰イオン、陽イオン界面活性剤)

陰イオン界面活性剤

陰イオン界面活性剤(またはアニオン界面活性剤とも呼ばれます)はどんなものかというと、水に溶けると親水基(水になじみやすい部分)のついている部分がマイナスの電荷(陰イオンに電離)をもった界面活性剤になります。

下図が陰イオン界面活性剤の分子のモデルになります。

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図1.陰イオン界面活性剤分子のモデル

泡立ちがよく、泡の持続性が高いことから洗剤やシャンプーなどの主原料なっています。

また、洗浄力やタンパク変性作用が一般的に強いものが多いです(近年、アミノ酸系等タンパク質変成作用がほとんどないものがありますが..)。

続いて陰イオン界面活性剤の種類ですが、表1のようなものがあります。

表1:洗浄に用いられる主な陰イオン界面活性剤

※1  「図解入門よくわかる最新洗浄・洗剤の基本と仕組み」 を参照にし、加筆修正

上記表に代表的な陰イオン界面活性剤を掲載しました。

陰イオン界面活性剤でも親水基や疎水基の分子の構造によって様々な名称で呼ばれています。

溶解する前の親水基部分には、ナトリウムやカリウムなどの金属塩がついているので、上記表では系統名が〜塩となっています。

疎水基部分については、基本的には炭素と水素が連なった構造を持っていますが、それぞれの種類に個数が異なっていたり、リン酸が付加されている等、種類ごとにかなり異なっています。

陰イオン界面活性剤に分類される代表的なものとして、石けんの成分の脂肪酸ナトリウム脂肪酸カリウムが該当します(※私のブログの中では石けんが石鹸というように書き方が混在している部分があるかもしれませんが同じものです。ご了承下さい)

石けんの場合(一般的な脂肪酸ナトリウムの石鹸)、皮膚のアミノ酸によって反発し皮膚に浸透しにくく生分解能力が高い性質があります。

そのため、肌に成分は残りにくメリットはあるのですが、pHが10とアルカリ性が強く、基本的にはタンパク質変性作用も強いためあまりおすすめできないです。
(肌から分泌される脂肪酸などで中和されるといわれておりますが….)

石けんを使うことが推奨されている美容法(例えば宇津木式等)がありますが、肌が弱い方は一般的には肌へのリスクが強めなので、様子を見て使ってみて合わなければ避けたほうがいいかもしれません。

また、安価で泡立ちが良く洗濯洗剤によく使われている直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムや以前シャンプーなどで見かけたラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル硫酸ナトリウム、上記の表の中ではポリオキシアルキル硫酸塩、ASの一種になります)があります。

これらは安価で簡単に作られるメリットがありますが、肌へのダメージが強い傾向があります。

一般的には陰イオン界面活性剤は肌に悪いイメージがつきものですが、ASを改良したポリオキシアルキルエーテル塩(AES)は、皮膚刺激がASよりも小さいので、シャンプーや台所洗剤など皮膚に直接接触する洗浄成分に使われています。

近年、石けんといわれるものでもアルカリ性ではなく、合成して作られた”酸性の石けん”とよばれるものも販売されるようになりました(正式名称は、ポリオキシアルキルエーテル酢酸塩(主塩は、ナトリウムになります)。

肌に近い弱酸性(原材料により、中性付近の場合もありますが…)であり、刺激が少なく、生分解性能力が極めて高い反面、硬水などでも使えることからお肌が弱い方向けのシャンプーなどの商品に使われています。

酸性の石けんと記載しましたが、脂肪酸そのものからではなく、脂肪酸から経て合成して作られた高級アルコール(ポリオキシアルキルエーテル)から作られたものになります(石けん系に分類されているのがよく見られるのですが、今回の表でいえば高級アルコール系に分類しました)。

酸性の石けんの末端部分が、アルカリ性の石けんの構造の末端-COONaと類似していることから”酸性石鹸”呼ばれているようです。

酸性石けんの性質など詳しくはこちらの記事より⇒酸性石けんとアルカリ性の石けんの違いとは..

また、モノアルキルリン酸エステル塩(MAP)は、陰イオン界面活性剤の中でも比較的肌ダメージが少なく、化粧品やボディソープ等で使われるようになってきました。

 

さらに、アミノ酸から誘導されて作られたアミノ酸系の陰イオン界面活性剤もあります。

アミノ酸系の正式名称はN-アシルアミノ酸塩ですが、種類としては、N-アシルN-メチルタウリン塩、N-アシルグルタミン酸塩、ラウロイルメチルアラニンNa等あります。

いわゆるアミノ酸シャンプーなどに配合されているものになり、刺激が少なく、生分解性能力に優れています。

しかしながら、アミノ酸系については、気泡力が若干弱いという弱点もあります。

比較的お肌の弱い方は、酸性石けんやMAP、アミノ酸系が配合されているものがいいのかもしれません。

(しかし、本当にお肌が弱っている方に関しては、界面活性剤を避けたほうがいいこともあります。作用が緩やか脱脂作用があるので、バリア機能低下をさらにまねいたり、皮膚常在菌のバランス機能が崩れやすくなるためです。お湯だけでも身体は洗えます⇒身体はお湯だけでも洗えるようです

商品によっては洗浄作用を高めたり、お肌のダメージを和らげるために、陰イオン界面活性剤の他に別の種類の界面活性剤を混合することがあります。

例えば、台所用の洗剤では、陰イオン界面活性剤が手肌に触れにくくして手荒れを防ぐ目的で、両性イオン界面活性剤を同時に配合されていることがあります。
両性イオンの性質はこちら

そうはいえども冒頭でも述べたように、特に洗浄力が必要な場面で使われている台所や洗濯洗剤で用いられている陰イオン界面活性剤は洗浄作用、タンパク質変性作用、あるいは脱脂力が強い傾向があります。

お肌へのダメージが気になる方は手袋やワセリンを塗るなどして、直接触れる場面を減らすようにして使用してくださいね。

※ 手袋をしていても手荒れをする可能性が0でないのです…⇒しかしながら、手袋でも手荒れすることも….
※ 洗剤を使うときのワセリンの活用方法とは⇒ワセリンで手荒れを防ぐには

・ラテックスアレルギーが気になる方向け 低アレルゲンの素材が使われた天然ゴム手袋

 

陽イオン界面活性剤

陽イオン界面活性剤(またはカチオン界面活性剤とも呼ばれます)はどんなものかというと、水に溶かすと親水基(水になじみやすい部分)の付いている部分がプラスの電荷(陽イオンに電離)をもった界面活性剤になります。

下図が陽イオン界面活性剤の分子のモデルになります。

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陽イオン界面活性剤の分子モデル

洗浄力は陰イオン界面活性剤に比べて弱い傾向がありますが、洗浄剤とは別用途として使用されることが多くみられます。

用途としては、リンス、柔軟剤、帯電防止剤、殺菌剤によく使われています。

リンス、柔軟剤、帯電防止剤に使用される理由ですが…

陽イオン界面活性剤のプラスの電荷の親水性の部分マイナスの電荷を帯びている繊維や髪の毛に吸着します。
(ちなみに、マイナスとプラスの電荷が引き寄せるため吸着します。)

吸着した部分の反対側の油になじみやすい疎水性(親油性)の性質が表面に出てきます。

表面が油の性質を帯びてくるので、摩擦を和らげることによって表面を柔らかくしたり、手触りを良くします。

さらに、摩擦の影響が低下するので、静電気防止の効果も発揮します。

殺菌作用に関しては、プラスの電荷を持つ陽イオン界面活性剤がマイナスを帯びている細菌の細胞膜に吸着することにより、細胞膜にダメージを与え菌を殺します。

陽イオン界面活性剤には次のようなものがあります。

よく用いられている主な陽イオン界面活性剤の種類の分類一覧

※1  「図解入門よくわかる最新洗浄・洗剤の基本と仕組み」 より参照

陽イオン界面活性剤に分類される代表的な種類としては、第四級アンモニウム塩系の殺菌剤の塩化ベンザルコニウムやリンス成分のラウリルトリモニウムクロリドなどがあります。

この前に陰イオン界面活性剤の話しをしましたが、陰イオン界面活性剤と陽イオン活性剤を単純に混合すると、−の電荷+の電荷吸着してそれぞれの性質を打ち消し合うことがあります。

また、陰イオン界面活性剤は基本的には”汚れ落とし(洗浄)”に使いますが、陽イオン界面活性剤は吸着目的と用途が相反する性質のため、洗濯の時には洗剤と柔軟剤を洗濯槽内で混ぜて入れるのではなく、別々の場所に入れ、投入するタイミングも変えて行っています。

普通、シャンプと同時にリンスはしないですよね。後からリンス(またはトリートメント)をします。
(最近の界面活性剤は、洗浄・リンス作用合わさったものがありますが..)。

基本的には化粧品や肌に触れるものに使われている界面活性剤は皮膚表面への毒性が調べられて、基本的には安全性が高いものが使われています。

一般的に陰イオン界面活性剤よりも陽イオン界面活性剤の方が洗浄作用が弱く、肌自体へのダメージが少ないと考えられがちです(種類にもよりますが、化粧品原料においては)。

しかしながら、陽イオン界面活性剤は皮膚表面や細菌に吸着する性質があるので、皮膚 のバリア低下につながる一次性刺激物質になったり、皮膚の常在菌のバランスを崩す原因物質となりうる可能性があります。

また、短期間の手肌の殺菌であれば、陽イオン界面活性剤の塩化ベンザルコニウムはエタノールよりも肌あれしやすいと言われています。

肌が弱い方は、柔軟剤やリンス剤を見直ししてもいいかもしれません。

 

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参考文献:

*1) 図解入門よくわかる最新洗浄・洗剤の基本と仕組み


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