かゆいからかいてしまうと悪化してしまいます。

頭皮が”かゆい”と何かにつけてその部分が気になってしまいますよね。

 

かけば一瞬でかゆみが収まることもありますが、かゆみが強いときには、かけばかくほど、かゆみが収まらないということもあります。

かいた場所では、表皮のバリア機能が破壊されて、細胞に損傷が起こってしまいます。

 

そうすると、表皮から炎症性の”サイトカイン”が分泌され”かゆみ”を起こすと同時に、炎症に対処するリンパ球などの白血球の仲間(炎症細胞ともいいます)を呼び寄せます。

その中に”かゆみ”を引き起こすマスト細胞(肥満細胞)が存在します。

マスト細胞から分泌される代表的なものとして、かゆみに関与するヒスタミンがあります。

 

ヒスタミンは、”かゆみ”を脳に伝えるばかりではなく、伝達した神経末端からも”神経ペプチド(p物質など)”を出し、再度マスト細胞から”ヒスタミン”や炎症に関わる”サイトカイン”を放出させるようにします。

しつこいかゆみがある場合には、”かけばかく程かゆくなる”という悪循環に陥ることも。

さらに、かいた箇所は皮膚のバリア機能が元々低下しているので、細菌に感染しやすくなっています。

そのため、かゆみが長引いているときには、医薬品のかゆみ止めを活用して悪化させない方が賢明のようです。

(使用する際には、自分に合った薬局等でご相談された方が、尚ベストです。)

 

※市販の頭皮用のかゆみ止めとしては、塗りやすいローションタイプがあります。
成分として、かゆみや炎症を比較的短期間で抑える”プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル”と呼ばれるステロイド成分が配合されています。 ステロイドになりますが、アンテドラッグステロイドとよばれるものになり、体内に吸収されると分解して、比較的安全な低活性の物質に変わります。

とはいえ、かゆみ止めを使う以前にかゆくならないようにさせたほうがいいですよね。

 

なるべく、頭皮のかゆみを抑えるにはどのようなことをすればいいのでしょうか。

そして、どんなシャンプー選べばいいのでしょうか。

まずは、頭皮のかゆみの原因と対処方法を見ていきます。

 

頭皮のかゆみの7つの原因と対策とは

頭皮のかゆみは、主に次の原因で起こります。

  1.  洗髪での頭皮の乾燥によるバリア機能低下
  2.  頭皮の皮脂分泌が異常
  3.  蒸れ
  4.  かぶれ(接触皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎)
  5.  紫外線や温度差等の周囲の環境
  6.  体調、ホルモンバランス
  7.  アトピー等疾患等の疾患

 

洗髪での頭皮の乾燥によるバリア機能低下

頭皮のかゆみが起こりやすい原因の一つとして、頭皮の乾燥があります。

頭皮の乾燥が起こると普段よりも外来からの異物や刺激に対して敏感になってしまいます。

そうすると、ちょっとした外気の刺激でもかゆくなったり..ということが起こってしまいます。

 

頭皮の乾燥が起こる原因の主なものとしては、シャンプーの界面活性剤によるタンパク質変性や脱脂作用によって皮膚のバリア機能低下があります。

バリア機能が低下してしまうと、通常なら、水分や皮脂で満たされた角質層がいわゆる”スカスカ”な状態になってしまい、外からの外来の物が侵入しやすくなってしまうわけです。

その対処方は、シャンプーのやり方(例えば、回数を少なくする等)や使っているシャンプーを洗浄力が穏やかなもの(例えば、アミノ酸系等)に変えたりということが有効です。

 

ちなみに、シャンプーによる頭皮の乾燥の対処については、以前の記事に詳しく書いていますので、こちらをご参照下さい。

 

その他の対処方としては、シャンプーの回数を減らして湯シャン(お湯だけ洗浄)もいいかもしれません。

 

頭皮の皮脂分泌が異常

頭皮の乾燥でかゆみは起きますが、逆に皮脂分泌が多い場合にもかゆみが起きやすくなります。

皮脂が多い場合には、皮脂が酸化されてできる過酸化脂質や皮膚の常在菌(例えば菌類のマラセチア等)によって分解されてできる遊離脂肪酸が生じ、かゆみを生じやすくなります。

 

体調などで皮脂の分泌が多くなる場合もありますが、シャンプーなどで皮脂が取れすぎた場合にも取り除かれた皮脂を補おうとして、過剰に分泌されることがあります。

洗浄力が弱めのシャンプーで皮脂を優しく洗いところですが、皮脂分泌が多い場合には洗浄力が弱いシャンプーでは古い皮脂が残りやすくなってしまい、かゆくなってしまうことも。

 

そのような場合だと、ある程度洗浄力があって、低刺激な界面活性剤配合のシャンプーがいいのではないでしょうか。

特に、皮膚と同じ弱酸性で残存しにくく低刺激な”酸性石けん”配合のシャンプーをオススメします。

・酸性石けんとは

 

皮脂分泌が穏やかになってきたら、様子をみて徐々に界面活性剤が緩めのシャンプー(例えばアミノ酸系)に移行するか、時々湯シャンに切り替えて、皮脂量分泌のトレーニングを行ってみてもいいかもしれません。

→湯シャンのやり方とは

 

蒸れ(ムレ)

誰にでもよくあることですが、”蒸れ”によっても頭皮にかゆみが起こります。

夏場、汗を良くかく時期に帽子やヘルメット等、通気が悪いものを被っていると頭がムレてかゆくなってきたりします。

髪の毛をまとめたり、髪の毛の乾燥が不十分で中が湿っていた場合も頭皮が蒸れやすくなります。

 

頭皮も身体の表面を覆っている皮膚と変わらず、汗をかきます。

 

汗自体は、身体の体温を下げるために無くてはならないものです。

また、汗は、皮脂と混ざって皮脂膜を形成して、水分の蒸散や微生物(細菌や菌類)の過剰繁殖を防いでいます。

 

ところが、汗が多くなったり、通気が悪くなると皮膚表面のpHが酸性からアルカリ性に。

そうなると、微生物が増えやすくなってしまい、微生物が分解する分解物によって、臭いや頭皮がかゆくなってしいます。

 

汗自体も大量に付着していた場合には、それ自体も刺激物質になります。

蒸れの対処方としては、できるだけ頭皮の通気性をよい状態にしておくことが重要です。

ヘルメットや帽子などで蒸れやすい状態になりやすいときには、こまめに脱いで換気をしましょう。

 

蒸れて”かゆく”なったときの対処法で一番有効なのは、頭皮の洗浄が有効です。

単に蒸れが原因であれば、基本的には汗と微生物を流すだけでもかゆみはある程度収まります。

 

・お湯洗いの方法とは

 

ですが、日頃からシャンプーを使っている方には、シャンプーがないと物足りないのではないでしょうか。

そういう場合は、いつも使っているシャンプーで満足されている場合ではそれを使ってもいいかもしれません。

 

頭皮が乾燥気味の方はアミノ酸系等の比較的洗浄力がマイルドなものを使用したり、皮脂分泌が多い方は、酸性石けん等、比較的洗浄力があるものに変えてもいいかもしれません。

洗浄後は、頭髪の長さにもよりますが、雑菌の繁殖を防ぐためにもドライヤーで乾燥をした方がいいです。

 

・湯シャンの方向けのドライヤーでの乾燥の記事ですが、シャンプーをしている方にも参照になります。

 

かぶれ(アレルギー性接触皮膚炎、一次刺激性接触皮膚炎)

頭皮に何らか刺激がある物質に触れて、かゆみを伴った炎症が起きる場合があります。

かぶれ対策で一番効果的なのは、かゆみとなる原因物質を避けることです。

これは、シャンプーを含んだどんな化粧品でも当てはまります。

 

ちなみに、接触皮膚炎には、アレルギー反応からくるものと、皮膚に刺激になる物質(刺激性物質、もしくは、一次刺激性物質とよばれています)に触れた場合に起こるものがあります。

・接触皮膚炎とは簡単な解説

シャンプーでよく見られるパラベン(パラオキシ安息香酸)、香料(例えばローズオイル等の天然香料等も含まれます)、染料に含まれるパラフェニルジアミン…等が、アレルギー性接触皮膚炎になる可能性があるものとして報告されておりました。

 

全てがアレルゲンというわけではありませんが、以前”表示指定成分”で表示されていた成分の中にアレルゲンとなりうる化粧品原料があります。

→指定表示成分103種類(別サイトに飛びます)

また、シャンプーなどのような化粧品でカブれた場合には、医療機関に原因となる化粧品を持っていけば、そこを通して化粧品メーカーに原料の開示・提供してもらい、可能であればテストすることも出来ます(※1参考文献 化粧品成分のかんたん読み方手帳)。

(そうはいっても、なかなかそこまでするのは勇気や気合が要りそうですが…)

 

アレルギー性接触皮膚炎の場合は、原因となる原料が入った原料を避ければ、皮膚炎を抑えることが出来ます。

ところが…厄介なのは一次刺激性接触皮膚炎。

 

皮膚が弱い方が比較的”一次刺激性接触皮膚炎”なりやすい傾向がありますが、”皮膚になんらか刺激が入った場合”に起きる皮膚炎なので、誰でも起こり得る可能性があります。

極端な例ですが、手袋のいわゆる”ケバケバ(人によっては、ふわふわかも?)”した内側の繊維でさえも皮膚にとって刺激になった時に、一次刺激性接触皮膚炎となってしまいかゆみを引き起こします。

 

・手袋の接触皮膚炎の例の記事になります。

 

ちなみに、その一次刺激性接触皮膚炎は皮膚のバリア機能が低下した時になりやすいとされています。
(乾燥肌についても別の項目でかきましたが、一次刺激性皮膚炎の症状の一つになります。)

手袋の”ケバケバ”についても、はめてすぐというよりもしばらく経過した後に、物理的な摩擦によって皮膚表面のバリア機能が低下し、汗が刺激となってかゆみが起きてしまいます。

 

手袋の一例を出しましたが、シャンプーの成分で接触皮膚炎を引き起こしやすいのは、配合量が一番多い界面活性剤ではないでしょうか。

界面活性剤は、そもそも”油と水を混ざりやすくする仲介の成分。

 

皮膚表面の皮脂膜を溶か仕込むものや、角質層の細胞間脂質やタンパク質の変性を起こるものもあります。

これを聞けば、界面活性剤を使った場合、”皮膚のバリア機能低下”を招きやすくなるのも無理はないかと。

これを考えると、界面活性剤が入ったもの(+皮膚に影響があるもの)を避けたらいいのではないかということで、非接触皮膚科学のサイトがあります。

 

・非接触皮膚科学とは

 

化粧品以外にも一次刺激物質となるものが多くあり、それを避けるための日常生活の工夫が書かれてあります。

そうはいっても今まで使ってきた化粧品、例えば、シャンプーをいきなり、まったく使わなくするのも勇気が入りますし、場合によっては頭皮の皮脂分泌が過多ぎみの方では、逆に皮脂によって微生物の繁殖が活発になってしまい、かゆみが増大してしまうこともあります。

化粧品メーカーや原材料メーカーも、皮膚潤いを与える皮脂膜成分(例えばスクアレン)や細胞間脂質をなるべく落とさず、表面の汚れや皮脂腺由来の酸化されやすい皮脂(一部の中性脂肪や脂肪酸)だけを落とす化粧品の開発がおこなわれており、比較的肌へのダメージを軽減した製品も出回っています(※文献2 日油 洗浄剤文献より)。

必要以上に化粧品を避けなくてもいいかと思いますが(どちらかといえば、怖がらなくてもいいといったところでしょうか)、”一次刺激性接触皮膚炎”を避けるための工夫としては、

 

  1. できるだけ使用量や種類を減らす
  2. 使う頻度を減らす
  3. 一度かゆみが出たシャンプーや整髪料は避ける
  4. できるだけ皮膚のバリア機能にダメージを与えるものを使わない

 

の4つの対策が考えられます。

 

”3.のかゆみがでたシャンプーや整髪料を避ける”についてはアレルギー性のときと同様に、一次刺激性接触皮膚炎の回避方法として、刺激となったものを使わないのが鉄則。

その商品を使うのをしばらくやめて様子をみましょう。
(本当に悪化している場合は、医療機関などでご相談下さい。)

 

”4.のダメージを与えないものを使わない”の目安ですが、シャンプーの場合だと頭皮に刺激が少なく洗浄力が比較的穏やかなもの(例えば、アミノ酸系等)がいいです。

また、接触皮膚炎があった場合はもちろんのこと、なんとなくシャンプー等が合わなくて頭皮がかゆいといった状況の時は、比較的刺激が強い毛染めやパーマはNG。

そんなときは、皮膚のバリア機能が低下しているので、いつもは毛染めに問題がない方でも、炎症が悪化する恐れがあります。

 

紫外線、気温差などの周囲の環境によるもの

紫外線や気温差または、周囲が乾燥していたときには頭皮がかゆくなることがあります。

環境によるものは、頭皮の皮脂分泌が低下して、乾燥状態になってかゆくなったり、反対に、皮脂分泌が過多になったり、湿気が多くなって、微生物等が繁殖しやすい状況になってかゆくなるのが特徴。

環境の変化であれば、一過性の事が多く、季節が変われば改善します。

 

しかしながら、紫外線だけは他の要因とは異なり、強度と時間との間には比例関係があり、頭皮の乾燥だけではなく、ひどい場合では紫外線自体が皮膚にダメージを与えて、炎症が起きてしまいます。

紫外線対策で一番良いのは、もちろん帽子や日傘。

帽子は、綿や麻などの素材かもしくは、メッシュ状になった構造のように通気性の良いものがいいです。

そういう素材でない場合は、時々脱いで、頭皮の”蒸れ”を防ぎましょう。

 

環境による変化の場合は一過性で、環境が変わればかゆみは基本的には収まりますが、頭皮が乾燥気味もしくは日焼けをした場合には、いつものシャンプーが刺激になるということも。

とくに日焼けでダメージを受けた場合は、シャンプーは控えて、お湯だけ(湯シャン)だけでもいいかもしれません。

シャンプーが使える場合でも、頭皮が乾燥気味の場合だったら、頭皮に刺激が少なく洗浄力が比較的穏やかで、潤いがのこるもの(例えば、アミノ酸系等)をオススメします。

 

体調の変化(ホルモンバランス、ストレス等)

男性ホルモンバランスとストレスでの頭皮のかゆみ

男性でも女性でも体内にあるホルモンバランスの変化によって頭皮がかゆくなることがあります。

ホルモンバランスの変化によって皮脂分泌が増大すると、皮脂が酸化されてできる過酸化脂質や皮膚のマラセチアなどの常在菌によって分解されてできる遊離脂肪酸の刺激によってかゆみが生じます。

 

特に男性ホルモン(テストステロン)は、皮脂腺を肥大化させて皮脂の分泌をする働きがあるとされていますが、皮脂腺に含まれている酵素(α-リダクターゼ)によって、より強力なジヒドロテストステロンに(DHT)に変わると、皮脂腺の肥大化や分泌がより増大します。

ちなみに、DHTに転換された方が皮脂腺由来細胞の増殖が増えることが確認されています。(※文献3 日皮会誌:102 (1),47-50, 1992 )

 

男性では成長期がきたときに急激に男性ホルモンが増大することが知られています。

(同時にその頃になると、皮脂腺の分泌過剰でニキビという別の悩みもでてくるんですけどね…)

 

そういうこともあって、”ストレス”も頭皮のかゆみのきっかけを作ります。

ちなみに、女性にも男性ホルモンの分泌はありますが、やはり男性の方が分泌量は遥かに多く、皮脂量も男性の方が多くなる傾向はあります。

 

皮脂分泌が多い場合の時にご紹介したように、男性ホルモンの影響で皮脂分泌が多くなった場合にも、ある程度洗浄力があって、低刺激な界面活性剤配合のシャンプーがいいのではないでしょうか。

こちらも、皮膚と同じ弱酸製で残存しにくい”酸性石けん”配合のシャンプーをオススメします。

・酸性石けんとは

 

皮脂分泌が穏やかな場合は、界面活性剤が緩めのシャンプーに移行してもいいでしょうし、時々湯シャンに切り替えて、皮脂量分泌を抑えるトレーニングを行ってもいいかもしれません。

→湯シャンのやり方

 

女性特有の頭皮のかゆみについて

女性の場合、ストレスの他に生理前後に頭皮がかゆくなったり、ベタつきが気になる方がいらっしゃるのではないでしょうか。

それは、ホルモンバランスの変化が一因となっています。

生理前は、エストロゲン(卵胞ホルモン、一般的に女性ホルモン)の分泌が減少します。


図 ザクロ屋の妊活コラム より参照

ところが、妊娠に関わり、エストロゲンと共に周期的に分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)は、排卵時〜生理前まで増加しますが、生理前後では減少してしまいます。
(図参照)

エストロゲンの減少や2つのホルモンバランスの変化で生理前には女性特有の不調(月経前症候群:PMS)を起こしやすくなります。

さらに、生理前にはこれらのホルモンが相対的に低くなることから男性ホルモンの影響がでやすくなってしまい、余計にアンバランスになりがちです。

 

ちなみに、これらホルモンが頭皮環境維持に大きく関わっています。

エストロゲンは髪の毛の成長期間を維持や血流を改善する他に、コラーゲンの合成を活発にさせたり、バリア機能を強化、皮脂分泌を抑制を行う等、毛髪や頭皮環境維持によい役割を果たします。

 

反対にプロゲステロンはエストロゲンとは真逆で、コラーゲン合成の抑制してしまうため、バリア機能が低下したり、皮脂分泌を助長させてしまいます。

排卵〜生理前ではプロゲステロン増加によって皮脂が多く分泌されてしまい、微生物の繁殖や皮脂の酸化によって、髪の毛がベタついて、頭皮がかゆくなりがちです。
(生理直前には、プロゲステロンは減りますが、男性ホルモンの影響もでてべたつくことも…)

 

生理になるとエストロゲンが少しずつ増えていきますが、ピークに比べて量が少ないことと、ホルモンバランスの変動によって、頭皮環境が乾燥しやすくなってしまい、乾燥性のフケやかゆみが生じやすくなるようです。

 

私の感覚なのですが、生理(始まりの頃)になるとどちらかといえば、乾燥するというよりも頭頂部がベタついて、かゆくなる傾向があります。

(美容院で美容師さんに聞いてみたところ、同じような体験はあるということでした。)

あくまで推測ですが、エストロゲンの分泌は女性においては、頭頂部に多いようですが、排卵前のピークよりもエストロゲンが少なく、ホルモン状態の急激な変化によって皮脂分泌が多くなっているのでは..と推測します。

 

女性の場合、生理前、後になると皮脂の分泌量の変化はありますが、比較的皮膚のバリア機能が低下しがちに。

皮脂分泌も変化しやすい時期なので、比較的マイルドな界面活性剤配合のもの(例えばアミノ酸系等)を使って丁寧に洗ったほうがいいでしょう。

頭皮が乾燥して気になる場合は、シャンプーを使わない湯シャンを行ってもいいのかもしれません。

アトピー、シラミ、その他疾患等

アトピー、シラミ、脂漏性皮膚炎などの原因によっても頭皮がかゆくなります。

大人の方の場合においては、アトピー自体が頭皮をかゆくさせているというよりも、全体的に皮膚のバリア機能が弱く、頭皮も乾燥しがちになりやすいです。

その結果、比較的かるい皮膚刺激でも、かゆみを帯びやすい状態に。

 

脂漏性皮膚炎は、皮膚の皮脂分泌の過剰分泌によって、常在菌であるマラセチアと呼ばれる真菌(酵母)が異常繁殖してしまい、分解された皮脂の遊離脂肪酸が発症の原因の1つと考えられています。

また、増殖したマラセチア自体も皮膚に炎症を起こすことも知られています。

 

ヒトに感染するシラミは3種類ありますが、頭髪に寄生するのは、”アタマジラミ”という種類になります。

皮膚から吸血して、かゆみや湿疹を起こします。

特に頭をくっつけて遊ぶ子ども達で感性しやすい傾向があります。

 

 

疾患による頭皮のかゆみの場合は、何が原因かをきちんと見極めるために、専門医で一度診察を受けることをオススメします。

その時のアドバイスを優先してかゆみの対策を行いましょう。

 

家庭でできる対策としては、アトピーが引き金となった頭皮のかゆみは、皮膚のバリア機能低下によって引き起こされやすいため、比較的洗浄力が弱めのアミノ酸系等のシャンプーをオススメします。

もしくは、時々お湯洗い(湯シャン)だけの洗浄でもいいかもしれません。

湯シャンの方法とは?

 

脂漏性皮膚炎の場合は、基本的には専門医からの診察での塗り薬(ステロイド剤、抗菌剤)で治療していくことが優先です。

家庭でできることとしては、マラセチアなどのカビに効く抗真菌剤が含まれたシャンプー等(例えばミコナゾール硝酸塩・ピロクトンオランミン配合のコラージュフルフルネクストシャンプーやサリチル酸が配合されたカダソン薬用スカルプシャンプー等)を使って一時的にでも過剰に増えた菌を抑えるという対策がいいかもしれません。

 

コラージュフルフルもカダソンも洗浄成分は、比較的低刺激なものが使われています。

ですが、カダソンは陰イオンのアミノ酸系界面活性剤が主体で、コラージュよりも若干マイルドな配合となっています。

泡立ちを補助するために、アミノ酸系陰イオン界面活性剤と相性の良い、両性イオン、非イオン界面活性剤が使われていますが、どちらも低刺激で毒性もかなり低いものです。

 

コラージュ、カダソンともに指通りを良くしたり、髪を柔らかくする陽イオン界面活性剤が配合されています。

  • コラージュ:塩化トリメチルアンモニオヒドロキシプロピルグァーガム
  • カダソン:ポリクオタニウム10

 

どちらも天然成分(セルロース、マメ科由来グアー)を元にして陽イオン界面活性剤でも比較的毒性の低い分類のものになります(高分子で皮膚に浸透しにくいのが特徴)。

髪の痛みを防ぐ反面、高分子ゆえに洗浄しても皮膚に貼りついたままになりやすいのが若干気にはなります。

比較的低刺激とはいえ、4級アンモニウムの陽イオン界面活性剤は皮膚の弱い方には刺激物質になりやすいものになります。

 

ちなみに、ピーナッツにアレルギーを持っている方がグアーと接触した場合、アレルギーが引き起こされることもあるようです。

 

カダソンの方が良さそうな感じはしますが、250 mL  3700円とちょっとコスパが悪いのが気になります….

 

成分:ミコナゾール硝酸塩、ピロクトンオラミン*、トリメチルグリシン、プロピレングリコール、塩化トリメチルアンモニオヒドロキシプロピルグァーガム、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルベタイン、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンNa液、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ジステアリン酸グリコール、無水クエン酸、HEDTA-3Na、水

 

症状が軽減した場合には、抗菌剤が入っていないものを使用した方がいいです。

抗菌剤入りのものを使い続けていたら、頭皮環境を維持する皮膚の常在菌のバランスが悪化してしまい、逆に外来の菌が増えやすい環境になったり、バリア機能が低下する恐れもあります。

シャンプーをご紹介しましたが、皮脂の代謝に関わるB2、B6を摂取して、皮脂の過剰分泌を抑える対策もあります。

 

シラミの場合においても、専門医の診察が先決ですが、シラミ対策品としては、シラミ駆除剤「スミスリンLシャンプータイプ」や「スミスリンパウダー」が市販されています。

(駆除剤を使うのをためらっている方は、虫が苦手なほう酸と天然ハーブからなるノンノン頭シラミコームで対策をしている方も中にはおられるようです)

 

スミスリンを使用する場合、ヒトへの影響は少ないとはいえ、1〜5%程度 接触皮膚炎や血小板減少等の副作用がある医薬品成分となります。

症状が収まった場合には、使用を停止しましょう。

 

それぞれタイプ別おすすめ市販のシャンプーについて

肌が乾燥気味な方やアレルギー(アトピー)体質の方向け市販シャンプー

肌が乾燥気味でアレルギーのお持ちの方は、シャンプーをできるだけ使わない、湯シャン(お湯だけ)の洗髪を行ってもいいのではないかと思います。
(どんな界面活性剤でも、まったく肌へのダメージに対するリスクがリスクが無いとはいい切れません。)

 

とはいえ、界面活性剤で肌を洗わないと逆に頭皮の皮脂がでてかゆみが気になるという場合は、アミノ酸系の界面活性剤など比較的脱脂作用が低いものをオススメします。

(他のサイトでもアミノ酸系..のものを使いましょうと記載されている内容が多いですが、実際のところ発泡力や泡の安定性等が不十分な事が多いので、両性イオン界面活性剤や非イオン界面活性剤と混合されていることが多いです。

両性イオン界面活性剤や非イオン界面活性剤は、陰イオン・陽イオン界面活性剤に比べたら毒性が弱い傾向があります。)

 

薬局等に売られているものでもいいのかもしれませんが、わかりやすいのがベビー用として売られているものが比較的界面活性剤が穏やかな物が使われています。

ただし、何でもいいのかといえばそうでもなく、香料や刺激になりやすいものが入っている場合もあるので、確認してからご購入下さい。

 

一例として市販のベビー全身シャンプーをご紹介します。

 

【ベビー全身シャンプーフレイチェ】

・赤ちゃん全身用としてメインで販売されていますが、頭皮が乾燥気味で皮膚刺激が気になる大人の方のシャンプーとしても使えます。

・無香料。
香料も肌の弱い方にとっては、刺激物質になります。ほとんどのシャンプーには香料が入っていますが、

 

・メインの界面活性剤として、アミノ酸系陰イオン界面活性剤のココイルグルタミン酸TEA、ラウロイルアスパラギン酸Naが使われいます。

増泡剤として両性イオン界面活性剤(ココアンホ酢酸Na)、非イオン界面活性剤(ポリグリセリル-4ラウリルエーテル)が使用されています。

それぞれの界面活性剤ともに、脱脂力、刺激も弱いものになり、肌には低刺激でマイルドなものとなっています。

 

・保湿成分として、糖類やアミノ酸系、脂質類が入っていますが、すべて天然由来成分となっています。

アミノ酸(セリン、グリシン)、セラミド、ヒアルロンコレステロール、リン脂質(ポリクオタニウム51)…と皮膚由来の保湿成分で乾燥からくるかゆみを穏やかにさせます。

ただし、保湿成分として、天然由来のベタイン、加水分解水添デンプン等が配合されています。

まれにアレルギーがでる方がいるので、気になる方は頭皮を洗う前に手などを洗ってみるなどして、テストして使って下さい。

 

・アミノ酸系シャンプーは比較的毛髪の洗い上がりもしっとりします。

ですが、リンス成分が配合されていないので、若干髪の毛のまとまり感が物足りない場合があります。

頭皮にそれ程問題を抱えていない場合には、下記のポリクオタニウム10(陽イオン界面活性剤)が配合されているものの方がより髪の毛のまとまりやツヤ感が出てきます。

また、洗う際の髪の毛のきしみを軽減し、髪の毛のダメージを防ぎます。

 

ポリクオタニウム10は、天然の繊維成分のセルロース由来の成分と比較的肌へのダメージは低いものの陽イオン界面活性剤は、皮膚に吸着されたままになりやすいので、肌が弱い方はできるだけない方がいい成分ではあります。

⇒陽イオン界面活性剤とはどんなもの?

 

・ただし、洗浄力がやさしいのでどなたでも合うかと言えばそうでもありません。

皮脂が過多気味の方だと、地肌のベタつきが解消されず、返ってかゆみが出てくることがあります。

皮脂量が多い方の場合は、後でご紹介する”デザイニングカウンセリングシャンプー”等の様にある程度洗浄力があるものを活用した方がいいです。

 

成分:水、グリセリン、BG、ココイルグルタミン酸TEA、ラウロイルアスパラギン酸、グリコシルトレハロース、ペンチレングリコール、加水分解水添デンプン、キシリトール、トレハロース、ベタイン、ソルビトール、PCA-Na、イソステアリン酸コレステリル、コレステロール、オリーブ油、セラミド2、水添レシチン、セリン、グリシン、グルタミン酸、アラニン、アルギニン、リシン、トレオニン、プロリン、アセチルヒアルロン酸、ポリクオタニウム−51、ポリグリセリル-4ラウリルエーテル、フェノキシエタノール

 

【ママ&キッズ ベビーヘアシャンプー370ml】

・基本的には、上の全身シャンプーと同じ成分内容になっていますが、リンス成分(ポリクオタニウム10)が配合されているものになります。

リンス成分が配合されているので、髪の毛にまとまり感やツヤ感がでてきて、切れ毛ができにくくなります。

 

・頭皮に対する洗い上がりは基本的には変わりませんが、この”ベビーシャンプー”を”ボディーソープ(全身シャンプー)”として、使おうと思えば使えなくはないです。

(特に洗い上がりも気にはならないかと思います。)

 

ただ、不必要にリンス成分が身体についたままになるので、止めておいたほうがいいかと思います。

リンス陽イオン界面活性剤には、殺菌効果があるとともに、ヒトなどの動物の細胞膜に吸着する作用もあるので(吸着すると、細胞膜が破壊されやすくなります)。

 

・シャンプーとボディーソープとの成分の違いはこちらをご参照下さい。

 

成分:水、グリセリン、BG、ココイルグルタミン酸TEA、ラウロイルアスパラギン酸、ペンチレングリコール、グリコシルトレハロース、ペンチレングリコール、加水分解水添デンプン、キシリトール、トレハロース、ベタイン、ソルビトール、PCA-Na、イソステアリン酸コレステリル、コレステロール、オリーブ油、セラミド2、水添レシチン、セリン、グリシン、グルタミン酸、アラニン、アルギニン、リシン、トレオニン、プロリン、アセチルヒアルロン酸、ポリクオタニウム−51、ポリグリセリル-4ラウリルエーテル、ポリクオタニウム10、フェノキシエタノール

赤字→リンス成分

肌が乾燥気味で、時々ベタつきが気になる方向け市販シャンプー

 

【すっぴん地肌】

すっぴん地肌

・泡立つ界面活性剤の代わりにクレンジングに使われている非イオン界面活性剤(トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル等)が使われています。

余分な皮脂を除去する割には、皮膚に浸透しにくい性質があるため、バリア機能が破壊されにくく、低刺激です。

 

・香料は入っていますが、”グレープフルーツ果皮油”という天然の精油のみ。

洗髪の時に、グレープフルーツのいい香りでリラックスする作用があるとともに、保湿や皮脂腺を引き締めて、過剰な皮脂分泌を防ぎ、適度なレベルまでに抑える働きがあります。

 

※グレープフルーツ果皮油で以前かゆみがあった場合はご利用をお控え下さい。

もともと湯シャンを試したけれども、髪のベタつきが気になるという方向けに作られているので、湯シャンをしつつベタついた時にこちらの商品を使うというのもアリです。

 

・頭皮の乾燥を防ぎ、髪の毛を生えやすい環境に整える成分が配合されています(ガゴメエキス等)。

→成分についてと使用感については、こちらに詳しく記載しています。

 

頭皮のベタつきが気になる方向け、整髪料をつけている方向け

【デザイニングカウンセリングシャンプー】

 

デザイニング カウンセリングプレシャンプー 1000mlポンプ付

・皮脂量やワックスなどのような整髪料を取り除くにもかかわらず、低刺激な配合設計となっているシャンプーになります。

頭皮のベタつきが気になる方向けではありますが、頭皮にトラブルを抱えていない方でも使えて、洗い上がりもさっぱりします。

 

・成分としては、ラウレス−5カルボン酸Naという陰イオン界面活性剤の”弱酸性の石けん”が配合されています。

特徴として、洗浄力は強く泡立ちも良く、さっぱりとした洗い上がりですが、弱酸性で刺激は少なく、分解も早いので、成分が肌に残りにくく肌にやさしいというメリットがあります。

 

・クレンジングオイルに幅広く使用されている乳化剤成分で、ジステリアン酸PEG-150やトリイソステアリン酸PEG-20グリセリル(すっぴん地肌にも配合されています)といった非イオン界面活性剤が配合されています。

クレンジングに含まれているようなオイルを乳化させる働きがあるので、皮脂の他にもシリコーンオイルなど整髪料成分を除去できる性質があります。

その反面、分子量が大きく、浸透しにくい性質があるため、皮膚バリア機能を破壊せず、極めて低刺激です。

 

ラウレス−5カルボン酸Naとこれらの相乗効果によって、頭皮や髪の毛に付着した余分な皮膜成分(皮脂やシリコーンなど)をきれいサッパリと落とします。

 

・ポリクオタニウム10が配合されているので、リンス成分が配合されているので、髪の毛にまとまり感やツヤ感がでてきて、切れ毛ができにくくなります。

 

・コカミドプロピルベタインという両性イオン界面活性剤によって、界面活性剤の刺激をさらに軽減させたり、頭皮に潤いをあたえますが、肌バリア機能が弱っている方には若干乾燥が気になるかもしれません。

 

レビューもいい評価が多いようです。

Amazonレビュー参照:

泡立ちも良いし洗浄力もあるしお肌に優しいし使い心地がとても良かったです。量が多いのでしばらく保つと思いますが無くなったらリピします。

脂性肌で頭皮もベタベタしがちですが、こちらで洗うとさらさらです。
安いし良い。香りはやや強めですが、時間がたつと消えるので気になりません。

 

成分:水、ラウレス-5カルボン酸Na,コカミドプロピルベタイン、パーム核脂肪酸アミドDEA,ジステリアン酸PEG-150,ポリクオタニウム-10,トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル,オレンジ油,クエン酸,エタノール,フェノキシエタノール,メチルクロロイソチアゾリノン,メチルイソチアゾリノン,香料

 

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