手洗いの後、アルコールでの殺菌が推奨されています。

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手肌には常在菌によってpHを弱酸性に保ち、外来の菌の増殖を抑える働きがあります。
日常生活には、ほとんど殺菌は必要ないと思います。

ところが、食事を扱う場所などでは、食中毒の原因菌をできるだけ混入させないために、衛生面で気をつけなければなりません。

文部科学省の給食の手洗いに関わるマニュアルでは、手洗いの後にアルコールが推奨されています。

文部科学省のマニュアル
(マニュアルは学校給食を取り扱うものになっています。手に付着した汚れを単に落とすだけではなく、”衛生面”を重視した内容になっています。)

⇒殺菌方法のマニュアルはこちら

アルコールというのは、炭素と水素が連なったものに酸素と水素(-OH)がさらに付加したものの総称です。

その中の代表的なものとして、エタノールがあります。

エタノールは、大好きな方が多いですよね。

炭素2つと水素5個の構造の後に、酸素1つと水素1つ(-OH)からなる構造です。

エタノール

水に溶けやすくて、独特の香りがあります。

アルコールの殺菌メリット・デメリット

細菌

細菌図(*1)

アルコールでは細胞壁、細胞膜を変性(性質を変えて、元に戻らないようすること)させたり、細胞内のタンパク質を変性させる働きがあります。

アルコール、特にエタノールにおいては70%濃度のものが最も殺菌力が高く、黄色ブドウ球菌を1分間程度で死滅させます(*1)。

特に、エタノールは殺菌剤に最も強いとされる細菌芽胞には効果がありませんが、一般的な細菌や酵母、カビなどの真菌、あるいはインフルエンザウイルスなど幅広く活用できます(*1)。

ひと吹きで十分というように殺菌効果が速い特徴があります(*1)。

一瞬で成分が揮発するので、ほとんど皮膚に残らないとされています。

エタノールであれば飲料用とされる面もあるので、少量であれば手肌へのダメージは少ないと考えられています。

しかしながら、アルコール自体が弱い方や繰り返し使うと、界面活性剤よりも脱脂力(油分を取り去る)が強いので手あれが気になります。

また、手肌に油分などがついていたら効果が激減します(エタノールを使う前に基本は石けん等で手洗いをします)。

手あれが少なく同等な効果、もしくはそれ以上のものが実はあるのです…。

殺菌剤の種類と手肌に優しい殺菌剤とは

*1) 新名史典、隅下祐一、加藤信一「洗浄と殺菌のはなし」同文館出版