変性作用に関係するタンパク質の重要な性質とは。。

それは、
タンパク質は、単純に横並びに結合するだけではなく、
構造体を作るという性質があります。

タンパク質の材料は、アミノ酸になります。
(生体では20種類と決まっている。)

タンパク質が形成されるとき、
まず、アミノ基(-NH2)とカルボキシル基(-COOH)が
結合し(ペプチド結合)、
アミノ酸がつながっていきます。
このときのつながった構造を一次構造といいます。

ちなみに、タンパク質の種類によって、
アミノ酸の数や材料で使われるアミノ酸の種類が
変わってきます。
(アミノ酸の結合する個数が40個以下は、
ペプチド呼ばれます。)

一次構造を形成したあと、アミノ酸中の
水素と酸素によって、
水素結合を形成し、より複雑な構造になります。

この時に形成される構造を
二次構造といいます。

この二次構造同士で結合(相互作用)し、
二次構造よりもより複雑でまとまりのある
構造、三次構造と呼ばれるものを形成します。

さらに、三次構造同士が結合(相互作用)したものを
四次構造といいます。

タンパク質の三次構造以上の結合様式は、
硫黄原子同士のジスルフィド結合、
水素結合、イオン結合、疎水結合、
ファンデルスワールス力などがあります。

タンパク質が機能するためには、
このように構造体を形成します。

「変性」とは、このペプチド結合から成り立つ
一次構造は保持されている状態ですが、
二次構造以上の立体構造を壊すことを
「変性」と言います。
この変性を起こす薬剤のことを
「変性剤」といいます。
(種類によりますが)界面活性剤は、
変性剤の一つとなります。

変性剤、特に強力な界面活性剤は、
タンパク質の二次構造での水素結合、
疎水結合などを阻害し、
通常保たれている構造を変えていきます。
特に、イオン性の界面活性剤が強い傾向があります。

また、変性のしやすさは界面活性剤の強度の他に
タンパク質の構造によって変わってきます。

例えば…。
髪の毛にある
ヘアーケラチンは、
硫黄を介したジスルフィド結合が
10%〜20%と他のタンパク質に比べて
かなり多くなっています。

このジスルフィド結合は、
一次構造に使われているペプチド結合と
同等なぐらいの強さになり、この結合に関しては
界面活性剤の変性作用は受けません。
代わりに結合を切ろうとするには、パーマ剤に使われている
還元剤というものを使用します。

洗剤がジャブジャブかかる排水口に髪の毛が入り込んでも
溶けないですね (T_T)。

ですが、ヘアーケラチン中でもジスルフィド結合以外の結合で
できている部分があるので、
比較的強い界面活性剤を使うと、
構造が緩みダメージを受けるのかもしれません。

次回、タンパク質が変性したらどうなるか
ご説明していきます。

図1 23.42.43

 
 
 

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