どんなシャンプーがいいのでしょうか?
先日、シャンプーはどの様なものがいいかというお問い合わせがありました。
そこで今回は、よいシャンプーについて書きたいと思います。
あくまで、記事を出した時点での私の考えですが。。。
非接触皮膚科学の牛田専一郎著の何もつけない美肌術にて、
湯シャン(お湯だけで洗髪する)を薦めています。
髪についた皮脂や汚れは、お湯だけで十分とれるというものです。
(実際は手袋をした手で揉み洗いはしていますが。。)
実際にやってみると、お湯洗いだけで頭はすっきり。
毎日湯シャンをしていた場合、頭の痒みは気にならなくなりました。
湯シャンはメリットが多いのですが、デメリットが。。
染髪後に髪を乾かす際、素手で触るとどうやっても垢状のものが手につきます。
実践する場合は、シャンプーほど、皮脂や垢は取れないことを念頭においてください。
(若干雑にやっているのはありますが、逆にシャンプは皮脂などがとれすぎるのかもしれません。)
前置きが長くなりました。
デメリットはありますが、
頭皮や肌、コスパ等を総合して考えると、私のお薦めは湯シャンです。
使い心地は別として、よいシャンプーというのは、一般的には市場にないかもしれません。
というのは、色々化合物(天然も含めて)が
複雑に入りすぎて、何がお肌に合わないかその後に影響があるかわからないためです。
何もつけない美肌術の話に戻りますが、シャンプーに含まれる界面活性剤が皮膚にあるタンパク質の立体構造を壊し(⇒タンパク質の変性といいます)、常在菌を死滅させ、外来の菌(いわゆる悪玉菌様なもの)が増えるというストーリが描かれ、シャンプーのみならず界面活性剤全てが悪だという印象を感じます。
(ストリー展開が上手なので、信憑性があるような感じがします。。。。)
確かに理論的にはあっているところはありますが、誇張されている部分があるように思います。
すべての界面活性剤が悪いとは限らない理由とは…
私の経験的な話ですが、私自身タンパク質を使う生物学関係の試験において、界面活性剤を使用していました。
例えば、ヒト等の動物にある抗体や微生物由来の酵素を使用する際、余計な結合を防いだり(抗体の場合)、反応を進めるために(酵素の場合)、界面活性剤を使用していました。
抗体も酵素もどちらもタンパク質でできているものですが、界面活性剤を混ぜていても反応が起きていたので、変性は起きていませんでした。
(変性して立体構造が破壊されれば、反応はできないようになっています)
界面活性剤としては、ツイーン20(ポリソルベート20)やベタイン(ベタインは総称です。実際の
化合物は忘れました。)と呼ばれる比較的穏やかな非イオン界面活性剤や両性イオン界面活性剤という部類に入るもので、どちらも化粧品、食品に使われているものになります。
イオン系界面活性剤(陰イオン、陽イオン系界面活性剤)の多くものでは、タンパク質を変性させたり、殺菌効果がみられます。
(石けんはイメージがいいみたいですが、石けんも陰イオン界面活性剤の部類に入り、比較的きつい界面活性剤になるのですが。。。)
界面活性剤の濃度、種類、触れる時間などを調節すれば、タンパク質を変性させたり、殺菌効果を低下させることはある程度調節可能です。
どうしてもシャンプーを使いたいという方であれば、界面活性剤を使用していないもの
(例えば、自作になりますが、吸着作用を利用している小麦粉シャンプー。
作り方は、下記サイトを参照ください)
https://soundstyle.co.jp/information/data03.html
または、何が何でも市販の界面活性剤入りのものであれば、香料など添加物が少なく、
アミノ酸系、ベタイン系と呼ばれる非イオン界面活性剤でできているものが使われていて、なるべく陰イオン界面活性剤が使われていないものを選択された方がいいかと思います。
ただし、肌の弱い方は、界面活性剤入りのものについては、肌の様子をみて使ってくださいね。
界面活性剤入りのものは、タンパク質の変性作用が少ないものがあるとお話しさせていただきましたが、なぜ、肌の弱い方は使用を控える必要があるかについては、次回にお話しさせていただきます。
⇒害が少ないシャンプーとは?肌が弱い方のシャンプー選びのヒント 〜よいシャンプーとは2〜
参考文献:何もつけない美肌術