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2018年6月8日大谷翔平選手が「右肘の内側側副靱帯損傷」で故障者リスト(DL)に入ることが発表されました。

さらに、6月7日に最新の再生医療である「PRP療法」によって損傷部位の治療をすることがチームの広報によって明らかにされました。

以前にも日本人メジャーリーガーである田中将大選手も2014年、右肘靭帯の部分断裂の治療にこの「PRP療法」が使われました。

ちなみに、この再生医療療法は、整形外科の分野以外にも美容業界にも使われています。

PRP療法はどのようなものか、見ていきましょう!

PRP療法とはどのようなもの?

PRP療法について

PRP療法は、欧米(特にアメリカ)では10年以上前から行われているようですが、日本ではここ数年ぐらいから行われるようになった最新の再生医療の一つ。

ちなみに、PRP療法のPRPとは”Platelet Rich Plasma”の略で、多血小板血漿のこと。

日本語では、多血小板血漿(たけっしょうばんけっしょう)と書きますが、血小板(Platelet)を濃縮して、多く(Rich)にした血漿(Plasma :赤血球を沈殿させた上澄み部分)なので、Plate Rich Plasmaとなり、PRPと略されています。

自分自身の血液を採取したものから血小板成分収集・濃縮させた血漿を患部に注射する療法(治療方法)になります。

自分の血液を使うため、他の薬剤に比べて何もよりも副作用が少ないのがメリット。

大谷選手などの様に整形外科的領域において、靭帯や腱などの損傷部位の治療や痛みの軽減に使われていますが、他にも様々な医療分野で活用されています。

 

例えば、
美容外科では、細胞増殖や細胞間を埋める細胞外マトリクス成分(例えば、コラーゲン等)の合成促進によるシワ・たるみ改善(いわゆる肌のアンチエイジング)

歯科では、インプラント体と骨(歯槽骨)の結合を促進させたり、歯茎(歯肉)部の止血や損傷部位の治癒や痛みの軽減

など色々応用されています。

PRP療法 適用症例

肩、肘、膝などの靭帯や腱の炎症(治療靭帯損傷、テニス肘、アキレス腱炎、変形性関節炎等)

歯周病、インプラント、しわ・たるみ、発毛促進の様な美容分野等、多岐にわたります。

血小板とは

血小板(けっしょうばん、英: platelet または thrombocyte)は、血液に含まれる細胞成分の一種である。血栓の形成に中心的な役割を果たし、血管壁が損傷した時に集合してその傷口をふさぎ(血小板凝集)、止血する作用を持つ

Wikipedia 血小板について

 

Wikipediaにあるように血小板は、それほど医療が進んでいなかった時代において止血だけの役割だと考えられてました。

ところが、それだけではなく、様々なサイトカインを産生・放出して他の細胞と相互作用をしているという、重要な役割があることが解明されています。

そして、この”サイトカイン”こそがPRP療法でメインに活躍する成分になり、様々な組織の細胞に働きかけ、損傷治癒、痛み(疼痛)の軽減、細胞間マトリックス成分の合成等を行うように促します。

 

サイトカインとは

様々な組織の細胞間同士の情報伝達(細胞内シグナリング)を行う重要な物質で、周辺の細胞の行動を作用させる働きをもつ物質の総称になります。

 

基本的には小さいタンパク質(いわゆるペプチドと呼ばれるもので、およそ 5 – 20 kDaの大きさになります。アミノ酸が40個〜160個ぐらい連なったぐらいになります。)からなるもので、低濃度でも生理活性をもちます(ピコモーラー(p mol/L)程度)。

 

すでに数百種類が発見されて、今も発見され続けています。

そして、性質や機能によって分類されており、例えば、免疫系細胞が分泌するインターロイキン(例えば、T細胞の増殖を活発にさせるIL-2)、病原体やウィルスの抑制に関わるインターフェロン(例えば、肝炎ウィルスの抑制に関わるIFNα)特定の細胞の増殖に関わる増殖因子(例えば、上皮の成長に関わるEGF)などの様なものがあります。

 

一般的なサイトカインの作用機構は、細胞表面にある特定の受容体に結合して、細胞内のシグナル伝達を進行させ、細胞に形態学的変化や生化学的変化をおこします。

サイトカインと似たようにものとして、細胞伝達物質の”ホルモン”があります。

ホルモンの場合は特定の器官から分泌され、ペプチド以外の生理活性物質(例えば、エストロゲンのように脂質成分のストロイド)も含まれるため、呼び方を変えているようです(明確な違いは、まだ研究段階のようですが…)。

 

美容業界のPRP療法について

美容業界、特に美容整形外科の分野において、顔のたるみやシワ、ほうれい線などの加齢によるお肌の悩みを改善する目的としてPRP療法が活用されています。

しかも自分の血液を採取したものを活用するので、ほとんど副作用が無いところがメリットです。

 

美容におけるPRP療法の適用範囲

PRP療法で、改善が期待されるお肌の悩みやトラブルは以下のようなものがあります。

肌年齢の若返り(肌のつや、透明感)、フェースラインのたるみ改善、シワ改善(ちりめんジワ、深いシワ、クビのシワ、手のひらのシワ)、毛穴改善、目の下のくま、ニキビ跡(ニキビクレーター、くぼみ)、ほうれい線改善(ゴルゴライン改善)、やけど後改善等の効果が期待されます。

また、頭皮の場合においては、植毛した際に毛が安定して生え続ける環境を整えます。

参照: フォーシーズンズ美容皮膚科クリニック

 

美容効果の持続について

1年〜3年と比較的長期に渡って効果が持続します。

PRP療法を行った後、約1~2週間後から徐々に変化が出てきて、2〜3ヶ月後あたりぐらいから実感できるシワ改善効果などのような美容効果が出るようです。

そして、数年間(1年〜3年)効果が持続されますが、それからは突然衰えるというものではなく微かにその効果は残るようです。

他の外科的な美容整形に比べて肌が自然な感じで整ってくるので、違和感なく過ごせれるのがいいところ。

 

ただし、即効性やさらに効果を実感させたいために、ヒアルロン酸を混ぜたり、自分自身から採取してきた真皮線維芽細胞の幹細胞(幹細胞注入)を混合して注射する場合があります。

ヒアルロン酸はもともと生体内にある成分で、角質層の保湿性・水分保持も行っていますが、角質層の下の真皮では、コラーゲンを保持する役割を持ち、肌組織の水分保持、柔軟性の保持に役立ちます。

 

ヒアルロン酸を注射すれば、体内に存在していたヒアルロン酸と融合し、肌内部を押し上げて、シワを隆起させ目立たなくさせたり、皮膚にハリを与えます。

このヒアルロン酸は体内の成分なので副作用がなく、即効性があるのがメリットですが、体内にすぐに吸収されてしまい、3週間程度と効果が短いのが欠点。

逆に、PRP療法の効果は1年〜3年と長期間効果が持続しますが、実感できるまで数ヶ月かかるという欠点があります。

このPRP療法の欠点を補うために、副作用が少なく即効性のあるヒアルロン酸が使われているというわけです。

 

シワやハリ改善効果がわかりやすい ヒアルロン酸と合わせたPRP療法をあわわせています。

ヒアルロン酸と組み合わせた 例 3D PRP(参照:湘南美容クリニック)

 

また、ヒアルロン酸の他に自身の肌内部から採取した細胞を使った幹細胞注入を組み合わせた方法も取り入れられています。

大谷選手もPRP療法の他に幹細胞療法を合わせていますが、美容の場合においては、表皮の下の真皮にある線維芽細胞にある幹細胞を凍結回収し、培養したものを戻す美容施術方法を一般的には指すようです。

※幹細胞…分裂して自身の細胞と同じ細胞を作る能力や、他の細胞に分化する(別の細胞の性質をもつ)性質を持ち、際限なく分裂する性質をもつ

皮膚の場合では、表皮の基底層にある表皮幹細胞が有名。近年、真皮にある幹細胞も存在していることが解明されてきた。

 

【皮膚の構造】

参照:https://eijingukea.nahls.co.jp/mechanism/shinpi-hada/s/

 

美容業界で幹細胞注入される”線維芽細胞の幹細胞”は、採取されて凍結保存されてから基本的には歳を取りません。

何十年経とうが、採取されたときの一番若い状態のままです。

さらに、採取されて肌に戻す際には一度培養されていますから、比較的増殖能力が高いものが選別され(幹細胞特有の表面マーカ例えば、ラミニン5等できちんと振り分けらているかと思われます)、コラーゲンやエラスチンなど、肌にハリや弾力を与えるものを若い時と同じ状態のように作り出します。

 

話はまたPRP療法にもどりますが、PRP中の血小板は、周囲の細胞にコラーゲンなどを作り出す司令をサイトカインを使って出せますが、それ自体から基本的には分泌しません。

近くの線維芽細胞が血小板からの司令を受け取り、分泌します。

 

…ということは細胞増殖能力が高く、比較的若い線維芽細胞が周辺にあった方がいいですよね。

そういうわけで、PRP療法とともに幹細胞注入(線維芽細胞)も相乗効果を狙って活用されているということになります。

 

PRP注射配合例:幹細胞注入、PRP(血小板)注入、日架橋ヒアルロン酸、スーパープラセンタ、カクテル(ビタミン)

参照: フォーシーズンズ美容皮膚科クリニック

 

美容効果のPRP成分と肌改善のメカニズムとは

PRP療法の効果の主体となるものは、濃縮された血小板から分泌される”サイトカイン”と呼ばれる生理活性物質になります。

様々なものが含まれていますが、サイトカインの中でも”成長因子、増殖因子または、細胞増殖因子(英語だとGrowth Factorという表現だけですが…)”と呼ばれる特定の細胞に対して増殖を促す性質をあるものが役立っていると考えられています。

成長因子の種類の中で、

  • PDGF(血小板由来成長因子)
  • VEGF(血管内皮細胞成長因子)
  • EGF(上皮成長因子)
  • TGF-β(トランスフォーミング成長因子ベータ)

 

特にこれらが主に関与しており、それぞれの役割は、以下のようになります。

・PDGF(血小板由来成長因子)
主に間葉系由来細胞(例えば、皮膚でいえば真皮にある線維芽細胞、血管壁などにある平滑筋細胞)の遊走(細胞の移動)や増殖を促す。
血管の新生や損傷治癒、線維芽細胞からのコラーゲンの産生に関わる。

・EGF(上皮成長因子)
線維芽細胞、上皮細胞等の増殖や成長を促進させる。

・VEGF(血管内皮細胞成長因子)
血管内皮細胞の増殖や血管新生に関与する。微小血管の血管浸透性を更新させたり、単球やマクロファージなどの細胞の活性化に関与する。

・TGF-β(トランスフォーミング成長因子ベータ)
線維芽細胞の増殖や遊走に関わり、コラーゲンなどの結合組織の成分の産生を促す。
ただし、上皮細胞の増殖を抑制する効果もある。
炎症を抑制するサイトカインとしても知られており、抗炎症性サイトカインの一種でもある。

上皮細胞を抑制するサイトカインも含まれていますが、基本的には真皮にある線維芽細胞の増殖を促し、更にはコラーゲンなどの成分を産生することによって、肌内部を押し上げてシワやニキビ跡の様なクレーターを目立たなくしたり、たるみを根本的に改善します。

注入された細胞はヒアルロン酸などの皮膚成分を注射されたものとは異なり、比較的長期間効果を保持します(1年〜3年。ただし、注射される範囲や量によって変わってきます)。

 

施設について

PRP療法を受ける場合において血液を加工する場所は、法律(再生医療等の安全性の確保等に関する法律)で決められており、厚生労働省で許可されなければなりません。

PRP療法で使うPRP(多血小板血漿)は取り出した細胞を一度培養する過程を得ませんが、遠心機で分離・濃縮する加工を得るためです(そのため、比較的リスクが少なく、申請・審査が第三種再生医療となっています)。

しかも、国で定めた基準を満たした設備を持つ事業所(特定細胞加工物製造事業所)でなければ取り扱えないようになっています。

さらに、上記にご紹介しました幹細胞注入となると一度培養という操作を経るため、より審査が厳しくなります(申請・審査がより厳しい第二種再生医療となっています)。

そうすると…特別な設備をそろえるとなると医院が限られてきてしまいますので、特別な設備がなくても受託で加工出来る事業者に加工をおまかせするという措置が取られています。

*再生医療等提供機関は厚生労働省のHPで公開されています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000186471.html

 

それでも、PRP療法ができる医院は比較的大都市圏(東京、大阪、名古屋等)に集中していますが、比較的よくお目にかかる美容クリニックでも受診が可能です。

 

上記でもご紹介しましたが、こちらの医院においてPRP療法は対応可能です(宮城、東京、千葉、大阪、福岡の医院のみ)。

美容整形

湘南美容外科クリニック

・整形総合サイト→美容皮膚科を選択→若返り治療のアイコンを選択→3D PRPが PRP療法になります。

 

PRP療法の流れについて

PRP(多血小板血漿)の回収について

PRPの回収は、①血液を10mL〜20mL採取した後、専用回収容器に入れる。②遠心分離機にかけ、成分の密度差によって血小板を分離。③中間層に溜まったPRPを回収という流れになります(1回の操作で約1〜2.0 mL前後回収できるようです)。

【PRP(多血小板血漿)回収の流れ】

https://dimensionaldermatology.com/2016/08/03/platelet-rich-plasma-a-novel-hair-loss-therapy/

 

PRPを回収する容器(専用キット)は注射で簡単に採取した血液をいれることができるようになっています。

遠心分離後、直接外気に触れることなくPRP層を無菌状態で簡単に採取出来るように工夫がされています。

 

【PRP回収容器 一例】

http://coloradosportsdoctor.com/platelet-rich-plasma-2/

 

ただし採血は各医院で行われますが、国内では許可を受けているクリーン度の高い施設でなければ回収操作を行うことができません(特定細胞加工物施設、CPC施設とも呼ばれています)。

PRPの注入

遠心分離後回収されたPRPは、表皮の下の真皮に到達する針を使って注入されます。

ですが、肌の負担にならないように極細針をつかったり、マイクロカニューレといって先端が丸くなって横に穴が空いた針を使って、内出血や神経の損傷を抑えながら施術が行われるようになっています。

 

また、麻酔クリームの処置が行われば、痛みもほとんどありません。

肌への負担が少ないので、施術を顔全体にしても1〜2時間程度で終了し、その日のうちに化粧をしてもOKです。

 

PRP療法のメリット・デメリット

メリット

自身の血液から採取された血小板を使ったものなので副作用が比較的少なく、さらに注入だけなので肌への負担はかなり低く安全で比較的安心して受けられるメリットがあります。

デメリット

美容の他に整形外科の治療においても保険が適応されない自由診療となるので、価格が高くなりがちです。

美容の場合、顔全体1回の注射で13万円〜40万円前後と高額です。
(ただし、注射は短期間で3回ぐらい注射した方がより効果的です)

ですが、顔のパーツの部分的な施術となると、1回の注射で5万円前後と全体に比べると安価には受けられますが、いずれにせよ高価な治療には変わりません。

 

あと、疾病をお持ちの方などはPRP療法はできません。

特に心臓病、脳梗塞や血が固まりにくくする薬を飲んでいる方は、注入する血小板の効果が拮抗するので受けられません。

また、サイトカインは腫瘍がある場所にとっては、血管形成や転移など、悪性化の過程にも関与しているので、悪性腫瘍(特に皮膚)がある場合もできません。

 

美容整形は、医師による診察が必ずおこなわれるので、疾病が気になる場合やその他気になることがありましたらご相談ください。

ポチッ”とご協力していただけたら嬉しいです。


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